“無職の父”は家族がいるのに自慰行為、“認知症の祖母”は糞尿まみれで大暴れ…美女コスプレイヤーが語る、学生時代の過酷すぎる家庭環境
〈「家が燃えているの!」コミケ当日に実家が全焼した”コスプレ美女”に訪れた悲惨な現実「土地を売っても数十万円にしか…」〉から続く
コスプレイヤーとしてコミックマーケットに参加した当日に実家が全焼したという、ミンミコ。
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そんな彼女に、経済的困窮による大学進学断念、認知症になって包丁を振り回す祖母の介護、家庭を顧みずゲームとセクシービデオに没頭する父親などについて、話を聞いた。(全3回の2回目/3回目に続く)
コスプレイヤーのミンミコさん ©三宅史郎/文藝春秋
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数億円あった祖父母の預金もすべて使い切って借金
――親から「大学受験、ちょっと無理かもしれない」と言われ、気づけば家の経済が一気に悪化。そうなったのは、父親の会社経営がうまくいかなかったからですか。
ミンミコ そうですね。そもそも父親はちょっとコミュニケーション下手で、誰かと円滑にやりとりできるような人じゃなかったんですよね。
会社を回すのに銀行からお金を借りて、借金が1億円くらいになって、最終的には家を差し押さえられたんです。
――ミンミコ家の財産は、すべてなくなったと。
ミンミコ おじいちゃん、おばあちゃんの預金とか数億円あったらしいんですよ。それも、すべて使い切っちゃって。もちろん、私の学費とかも例外ではなく。
――父親は対人関係が苦手だったとのことですが、会社を継がされることに抵抗があったのでは。
ミンミコ 祖父は事故で急死したとかじゃなく、がんで亡くなったので。亡くなるまで時間はあったでしょうし、継ぐか継がないか冷静に判断できたと思います。
父は、ものすごく甘やかされて育ったんだと思います。会社経営がうまくいかないなら、外で働くべきなのに「そんなん、ええ年になって恥ずかしいやろ」みたいな。祖母も父に甘かったから「働きに行かないでいい」って言ってたんじゃないですかね。
大学受験を1年先に伸ばしてバイトの日々
――結局、現役での大学受験はあきらめたのですか。
ミンミコ とりあえずバイトしなくちゃって。大学受験を1年先に伸ばしてバイトしてました。大学に入ってからもバイトの毎日で。
家でご飯が出なくなっていたので、まかないが出る飲食店を中心にバイトしてました。23時までを週6くらいで。
店の人も「大変なんだろうな」と、まかない以外にも帰りに余り物を包んで渡してくれるんですよ。で、持って帰ってきた余り物を家族みんなで食べてましたね。
――週6で23時まで働くのは過酷ですね。
ミンミコ 母もパートに出てました。大学の学費も必要なので、ものすごく頑張ってくれて。
家族がいるのにAVを見るようになった父
――娘と妻が懸命に働くなか、父はゲーム三昧。
ミンミコ ゲームしてるか、AV見てるか。家族がいるのにAVを見るようになって、「ああ、本当にダメなんだ」って。
――家族で聞くものではない声や音が響くじゃないですか。
ミンミコ リビングか1階のオフィスで、スマホで見ているんですよ。で、私や母がそばに行くと音量が下がって、遠くに行くと音量が上がる。
――それ、見ているだけで済みます?
ミンミコ 見た後は、トイレに入ってしばらく出てこなくなる。
――なるほど……それでも父親と会話はあったのですか?
ミンミコ 頑張って話すようにしてました。心が病んでて働かないとかなら、普通に接してあげてたらいつかは治るかなぁと。でも、AVを見始めてからは完全にムリになりましたね。
認知症になった祖母が包丁を振り回す
――両親の仲はどうだったんでしょう。
ミンミコ 昔は仲が良かったですね。でも、おばあちゃんと母の関係はメッチャ悪かったです。おばあちゃんも一緒に住んでいたんですけど、ガラが悪いというか。水の入ったコップにタバコを放り込んで消すんですよ。
おかげで、私はコップでたばこを消す人間が一番嫌いになったんですよ。で、私が高校生の頃に認知症になって、さらにガラが悪くなるという。認知症になるまでは、私には優しくしてくれたんですけど。
――「認知症になって、さらにガラが悪くなる」って、どんなふうに。
ミンミコ 包丁で母を刺そうとするんですよ。私が必死になって「やめて、おばあちゃん!」って止めてました。
――娘と妻が包丁を振り回す祖母に震えるなか、父はゲーム三昧。
ミンミコ ゲームしてるか、AV見てるか。家の中の治安が悪すぎて、外にいたほうが安全でしたもん。おばあちゃんは要介護4まで進んで。
死んだおじいちゃんを探すと言って徘徊もしたし、「財布を盗んだろ」って騒ぎもしましたし。徘徊しても誰も助けてくれないんですよ、地元でめちゃくちゃ嫌われていて。
――おばあちゃん、地元で一体なにをしたんですか?
ミンミコ 地元でも性格が悪すぎるババアで有名だったんですよ。
だから、近所の人に言われました。「かわいそうやけど、助けになってあげる気になられへんわ」って。たしかに、おばあちゃんが近所の方々に取ってきた態度を考えると納得ですけど、「面と向かって、それ言う?!」と思いましたね。
祖母が外に飛び出し、糞尿まみれで徘徊して…
――ベースの意地クソ悪さが、認知症によってブーストされたと。
ミンミコ 母を刺そうとしたときは、「そんなに母のことが嫌いだったのか」って驚きました。あと、糞尿地獄だったし。家のあちこちに撒き散らすんですよ。
で、満腹中枢に支障が生じちゃってたみたいで、メチャクチャ食べるから、メチャメチャ出す。「なんだって、こんな量が出るんだ」ってビックリするくらい出す。
――オムツは。
ミンミコ 穿かせても、溢れ出しますよ。だから、ひどく暴れているときは、おばあちゃんの部屋から出さないようにしてました。おばあちゃんの部屋のドアノブにロープを巻き付けて、その前にあった階段の手すりにロープを括り付けて。
閉じ込めるしかないんですけど、本当に心苦しいんですよ。やっぱり、自分のおばあちゃんだから。「出して! 出して!」と叫びまくって、壁とかドアをドンドン叩くんですよ。それが辛くて、辛くて。でも、何をするかわからないし、外に飛び出したら糞尿まみれで徘徊しちゃうし。
母は追い詰められたストレスで氷食症に
――おばあさんは、おいくつでした。
ミンミコ その頃は84歳とか85歳だったかな。
――おかあさん、ストレスで倒れてしまいますよね。
ミンミコ 私が大学生の頃、氷食症になりました。おばあちゃんは暴れるし、お金はないしで、かなり追い詰められてたみたいで。氷を1日中ずっとガリガリ噛じってるんですよ。
子宮筋腫で倒れてもいます。出血多量で救急車を呼ばなくちゃいけないほどで。そういう生死を分かつ状況なのに、父親はエッチなやつを見て「ヘヘ〜ッ」って。散歩行ったり。行動が支離滅裂でした。
母にはずっと「離婚して」と言っていたけれど…
――おかあさん、離婚などを考えても良さそうですけども。
ミンミコ 高校の頃からずっと、母には「離婚して」って言ってたんです。私は父がAVを見出して「もう無理」となってたので。だけど、母はまだ父に情があるから離れられない、みたいな。
執着みたいなものもあったかも。結婚して20年という長い時間積み上げてきたものを崩すのが怖かったんじゃないかなって。お金がなくなり、夫もいなくなりといった感じで、だんだん消えていくことが。
あと、母の実家も大変だったんですよ。おじいちゃんも気難しいし、おばあちゃんも介護が必要になってしまって。おばあちゃん、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という病気で動けなかったんですよ。だから、母は実家に戻っても辛いし、ほかに行くところもないし、行き詰まって頭が働かないというか。
撮影=三宅史郎/文藝春秋
〈父の会社が倒産して借金1億円→野草を食べる壮絶な極貧生活→10代で2度の自殺未遂…美女コスプレイヤーが語った、波乱万丈すぎる半生〉へ続く
(平田 裕介)