「その女性は、急いでいて邪魔だから追い抜いたと言うんです。でも、抜いたからといって前に車は何台もいるし、何の意味もないだろうと問いかけると、急に泣き出したあげくヒステリックに怒鳴り散らして埒が明かない状態に。相手にできないので、警察が来るのを待って仲介してもらいました」

◆「普通っぽい若い女性」がなぜ?

 新庄さんたちはあおり運転や危険な追い抜きを説明し、動画があるので提出もできると警察に話しました。警察も、女性が加害者の可能性があると考えたようで、聞き込みをした結果、真相が判明する。

「女性があおり運転や危険な追い抜きをしたのは、自分は夏休みもなく子どもの世話をしているのに、バイクで遊んでいるわれわれが気にくわなかったという理由で……。ただ、危険な目に合わせるつもりはなく、ついカッとして煽りや追い抜きをしたというのです。警察官も呆れて、訴えるなら調書を作るとアドバイスしてくれました。ただ、日程的にもこんなおかしなドライバーにかまっている時間も無く、とりあえず本人が反省しているのなら、裁判を起こすつもりはないと説明。女性は厳重注意された上で、警察署で詳しく話を聞くと連行されていきました」

 あおり運転の犯人を警察に突き出すことに成功したとはいえ、スケジュールは大幅に狂い散々な目にあった。こういったトラブルは誰にでも起きる可能性が高く、バイクを運転する人は注意したほうが良いと説明してくれた。

「地方では、ツーリングで他のエリアからライダーが来るので、邪魔だと苦々しく思っている現地住民が多い。ツーリングに関しては、都心部よりも危険な運転をしてくる人がいると思っていたほうが身のためです」

 最近では中高年のリターンライダーも増え、ツーリングをする人が多いだけにトラブルもドンドン増えていきそうだ。

<TEXT/高橋マナブ>

【高橋マナブ】
1979年生まれ。雑誌編集者→IT企業でニュースサイトの立ち上げ→民放テレビ局で番組制作と様々なエンタメ業界を渡り歩く。その後、フリーとなりエンタメ関連の記事執筆、映像編集など行っている