そしてさらに、「子どもを産んで子孫を残すということはできなくても、今の子どもたちが生きやすい社会作りに貢献することはできるのでは」という考えができるようになりました。今回の手術は、自分の中で新しいフェーズへと進むきっかけにもなったように思います。

◆後悔しなかったのは、手術前に自身がしっかり納得していたから

 もちろん、子宮を失った方全員がポジティブに受け止められるとは考えていませんし、ましてや、手術を推奨しているわけでもありません。手術は体力も時間もお金も必要ですし、合併症などのリスクだってあります。人によっては、想像よりもネガティブな気持ちになり、心に傷を負うこともあるかもしれません。

 ただ、今筆者がポジティブでいられるのは、やはり手術前にしっかり納得できていたからではないかと考えています。少しでも迷いがあったり、自分の人生にマッチしていないと感じたりする状態で手術を受けてしまったら、何かしらの後悔が残ったかもしれません。

 何事も、人生での大きな決断をする時は、自分が納得しているか、ということを最も大切にしています。家族や友人、医師などの専門家の意見を参考にはしても、自分が決めるからこそ、後に何があってもブレずにいられるのではないでしょうか。

 とはいえ長い人生、また気持ちが変わることもあるかもしれません。その時に気づいたことがあれば、またつづってみたいと思います。

<文/関由佳>

【関由佳】
筆跡アナリストで心理カウンセラー、カラーセラピストの資格も持つ。芸能人の筆跡分析のコラムを執筆し、『村上マヨネーズのツッコませて頂きます!』(関西テレビ)などのテレビ出演も。夫との死別経験から、現在グリーフ専門士の資格を習得中。Twitter/ブログ