夏に食欲増進「カレーそぼろ丼」安く簡単に作る技
今回は「カレーそぼろ丼」です(以下、写真はすべて筆者撮影)
料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作れる方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。今回は「カレーそぼろ丼」です。
ひき肉を見極めるポイントは<色>
ひき肉は日々の料理の味方。他の部位と比べると比較的安価ですし、切る手間が省けるのも大きなメリット。一昔前までは鮮度の落ちたひき肉も見かけましたが、現在はスーパーでも状態のいいものが簡単に手に入ります。
ひき肉を見極めるポイントは<色>です。ひき肉は肉を細かく挽いているので表面積が大きく、酸化しやすい肉です。そのため鮮度が落ちると色がくすんできます。なるべく鮮やかな色、それもパックの底にドリップと呼ばれる水分が溜まっていないものを選びましょう。
鮮度のいいひき肉は加熱しても肉汁が出にくい
今の時期は買ってからも注意が必要です。なるべく冷やした状態で持ち帰りましょう。氷や保冷剤をもらえるスーパーであれば活用してください。
ひき肉は0℃付近の低温で保存するのが基本で、精肉店などはひき肉を保存するための専用冷蔵庫を持っているところもあるほど。家では冷蔵庫のチルド室で保存しますが、なるべく早く調理してしまうのがいいでしょう。火を通してそぼろにしておけば冷凍保存もききます。
カレーそぼろ丼の材料(2人分)
合いびき肉 180g
にんにく 1片
玉ねぎ 1/4個
サラダ油 大さじ1
カレー粉 大さじ1
砂糖 大さじ1+1/2
しょうゆ 大さじ1
酒 大さじ1
温泉卵 2個
玉ねぎとにんにくはみじん切りにします。
鶏ひき肉でもおいしくつくれます
そぼろはしょうゆと砂糖で甘辛味に仕立てるのが基本ですが、そこにカレー粉で風味をつけました。少しドライカレーを思わせる味わいになります。
砂糖はみりん大さじ2に置き換えてもおいしくできます
火にかける前のフッ素樹脂加工のフライパンにサラダ油、にんにく、ひき肉、玉ねぎを入れ、中火にかけます。
フライパンは26cmサイズを使用しています
しばらく混ぜながら炒めていきましょう。
玉ねぎが入っているのでにんにくやひき肉が焦げることはないはず
全体の色が変わったら一度火を止め、出てきた油をキッチンペーパーなどで取り除きます。ある程度、油を残しておくと味わいがリッチになりますが、ここで拭き取っておくと仕上がりがさっぱりし、ひき肉特有の臭みも軽減されます。
キッチンペーパーを使わずザルなどで油を切る方法もあります
調味料を加えていきましょう。
酒、砂糖、しょうゆ、カレー粉の順番に加えるのがおすすめです
弱火で1〜2分かけて煮詰めていきます。水分がある程度蒸発し、ぼってりとしたら出来上がりです。
フライパンの底をこそぐようにして煮詰めます
炊きたてのご飯にそぼろをのせ、温泉卵を添えます。温泉卵の代わりに半熟のゆで卵や目玉焼きでもいいでしょう。卵は省略することもできますが、添えるとぜいたくな印象になります。
そぼろは冷蔵庫で2〜3日ほど保存がきくので、倍量を作って保存するのもいいでしょう。カレーそぼろ、ご飯だけではなく、うどんやそうめんなどの麺類にもあうので覚えておくと便利です。
しば漬けを添えると最高の相性です
(樋口 直哉 : 作家・料理家)