(漫画:©︎三田紀房/コルク)

記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。

その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載。連載を再構成し、加筆修正を加えた『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』は、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。連載の第133回は、受験生でも「文武両道」が成立する理由についてお話しします。

「文武両道」な人は実際にいるのか?


「文武両道」と聞くと、どのような印象を抱きますか?
勉強とスポーツ、両方に長けていることを「文武両道」と言いますが、「理想的な状態だけれど、両方頑張るのは大変だろうな……」と思う人が多いのではないかと思います。

部活動も勉強も頑張っている人って、少なそうですよね。でも、東大に合格する人は、案外「文武両道」な学生が多いのです。高校生活でずっと部活をやっていたという人もいますし、「高校3年生の7月まで野球部で週4〜5日は練習していた」という人が、半年で東大に合格している例もあります。

東大に合格する人にとって「文武両道」は決して絵空事ではなく、本当にそうだった場合が多いようです。

なぜ、「文武両道」が成立するのか? 漫画『ドラゴン桜』のワンシーンでは、桜木先生がこんなふうに説明しています。

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(漫画:©︎三田紀房/コルク)





(漫画:©︎三田紀房/コルク)




(漫画:©︎三田紀房/コルク)

いかがでしょうか?「部活動も、勉強も、と考えるのではなく、竹馬だと思って考える」という話でしたね。


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最近では学校によって、「文武両道」を違う言葉で言い換えているケースもあるようです。

例えば「文武両道」を、「文武不岐」と表現するのです。「不岐」とは、「分岐していない」という意味です。勉強とスポーツが2つの道で分かれているのではなく、同じ道にあるんだよ、という意味ですね。

たしかに、勉強とスポーツは、お互いにいい影響を与えています。身体が適度にほぐれていたほうが集中力が上がることもありますし、スポーツをしていても頭を使って分析したり、改善方法を考えることもあるでしょう。

メンタルを安定させることにもつながる

東大生の中には、スポーツの練習メニューと勉強の計画を、両方とも手帳に書いて管理していた人がいます。スポーツ面では、今日の練習がどうだったのか、どこがダメでどのように改善すればいいのかが明確になるのと同時に、勉強面でも、なぜ解けなかったのか、次はどのようにすればミスをなくすことができるのか、を考えることができます。勉強でもスポーツでも同じことをやっていたという点で、まさに「文武不岐」だと言えると思います。

また、片方がうまくいかないときには、片方に逃げることもできます。「勉強がうまくいっていないけれど、部活はうまくいっているな」「部活でヘマしちゃったけど、今日は勉強の調子がいいぞ」と、片方がダメなときでも、もう片方がうまくいっていると、精神的に安定することがあるのです。逆に1つにだけ依存している状態だと、うまくいかなくなったときに、メンタルに影響してしまうこともあります。

部活も勉強も、と分けて考えるのではなく、両方ともつながっているという考え方を、みなさんにもぜひ徹底してもらえればと思います。

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(西岡 壱誠 : 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当)