“全長3.1m”のトヨタ「爆速コンパクトカー」がスゴイ! 6速MT&「直4スーパーチャージャー」搭載! 実は“ホテル宿泊で乗れる”激レアマシン「iQ GRMN」とは?
小さなスポーツカー「iQ GRMN」とは?
軽自動車は全長3.4m以下と定められており、最近では規定ギリギリを攻めて室内空間を広く確保したクルマが流行している一方で、かつては真逆のコンパクトを追求したクルマも販売されていました。
そのなかで全長3m前後のコンパクトボディに、各所チューニングが施されたスポーティなマシンも存在しています。
一体どのようなクルマなのでしょうか。
そのクルマはトヨタの「IQ GRMN」です。
【画像】「えっ…」 これが全長3m前後の「爆速スポーツカー」です! (30枚以上)
同車のベースは2008年に販売開始されたマイクロクーペタイプのコンパクトカー「iQ」で、「Compact, not compromised(コンパクトだが我慢はない)」というコンセプトのもと大人3人と子供1人または荷物の3+1シーターのパッケージを持つクルマです。
そのなかでiQ GRMNは、トヨタのモータースポーツ部門であるGazoo Racingが開発を行ったチューニングカー「iQ GAZOO Version」の市販仕様車「GAZOO Racing tuned by Meister of Nurburgring」を指しており、GRMNというのは頭文字を意味します。
普通のiQよりもスポーティさと走りにこだわっており、2009年8月に100台限定で販売された貴重なモデルですが、受注開始から約1週間で完売するほどの人気を得ていました。
iQ GRMNは「130G」グレードをベースとしています。
発表当時では国内仕様のiQにまだ設定されていなかった6速MTを採用。130Gグレードと同様、1.3リッター直列4気筒エンジンと組み合わせました。
そのほか、専用チューニングサスペンションをはじめとする足回りやハンドリングをスポーティにチューニングすることで、iQの特徴である俊敏性と高速での走行安定性を高次元で実現したとのことです。
ボディサイズが全長2985mm×全幅1680mm×全高1470mmとなっており、普通車でありながら軽自動車の全長である3400mmより短いという特異な点があります。
これは元々iQが欧州の各メーカーがこぞって発売したマイクロカーのジャンルに投入するために開発されたという経緯があります。
小さな車両というと求めやすい価格だったからという理由で購入する方も多いかもしれませんが、iQに関しては安さを追求するのではなく、本革シートでラグジュアリー感があるレザーパッケージやボディのツートーンカラーなど、プレミアムさを重視しているマイクロカーとなっています。
運転席周りではアルミペダルやタコメーター、リアルーフフェクステンションが装着されており、スポーティな仕様にまとめられたほか、体幹を強化するため30mmローダウンとなる専用チューニングサスペンションや、16インチタイヤホイール、強化ブレースなどが追加されています。
なおiQ GRMNはメーカーが正式に製作したモデルではありますが、チューニングカーなので持込登録が必要な改造車とみなされ、減税などの措置は受けられません。
さらに2012年7月には「iQ GRMN Supercharger」という第2弾もリリースされています。
iQ GRMN Superchargerは1.3リッターエンジンにスーパーチャージャーをプラスし、iQより最高出力と最大トルクを30%以上向上。
また、マニュアルトランスミッションをクロスレシオ化にしたり、サスペンションに専用のチューニングを施したりと、エンジン性能だけではなく軽量化にもこだわっています。
エクステリアではブリスターフェンダー、専用バンパー、リアスポイラー、などを標準装備しており、iQ GRMNに走りや内外装も含めて、プレミアム感やスポーティさをさらにプラスしたようなモデルです。
なお、専用装備によってボディサイズも、全長3140mm×全幅1705mm×全高1470mmと拡大されています。
こちらも100台限定で発売されていました。
そんな希少なモデルですが、2024年7月1日から12月31日までの期間に、富士スピードウェイホテルでスイートルームまたはヴィラを予約した方、スイートルームまたはヴィラ以外のお部屋タイプに滞在予定で90分以上のスパトリートメントメニューを予約した方に限り、iQ GRMN Superchargerの試乗体験が可能です。
iQ GRMNは生産台数や作りを考えてもかなり特殊で、昨今の各メーカーがこぞって販売している利便性が高められたクルマとはかけ離れていますが、是非1度は乗ってみたい幻のモデルです。