池添騎手(左)と富田騎手

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“先輩風”を吹かせて

 競馬界でまたとんでもない事件が起きた。人気ジョッキー・池添謙一氏(44)が、若手のホープ・富田暁騎手(27)との間にトラブルを起こし、池添騎手は9日間、富田騎手は2日間の騎乗停止処分が下されたのだ。

【写真】暴力沙汰を起こして騎乗停止9日間となった“三冠ジョッキー”池添騎手がXに寄せた謝罪文の中身

 池添騎手といえば、かつては三冠馬「オルフェーヴル号」の主戦ジョッキーとして名を馳せ、その明るい性格と騎乗技術の高さから多くのファンを惹きつけてやまない騎手の一人である。一方の富田騎手も、甘いマスクで女性ファンからの支持が厚く、次世代のホープと呼べる逸材。果たしてそんな二人の間に何があったのか――。

池添騎手(左)と富田騎手

 競馬記者が言う。

「二人は6月24日、函館市内の居酒屋で他の騎手も含めて飲み会をしていました。その席で、池添騎手が富田騎手に一気飲みを強要するなど、先輩風を吹かせて高圧的な態度をとったというのです」

 そんな池添騎手の態度に業を煮やした富田騎手は、

「湧き上がる感情を堪えきれなかったのか、近くにあったスマホをテーブルに叩きつけたところ、そのスマホの画面が割れてしまった。しかも、それがあろうことか池添騎手のものだった、と。二人は口論となったものの仲裁が入り、一旦は池添騎手が先に席を離れ、調整ルーム(競馬場内にある騎手達が宿泊する施設)に戻ったそうです。しかし、怒りが収まらず、富田騎手に電話。程なくして戻ってきた富田騎手をロビーで待ち構え、互いに暴力沙汰に発展してしまったようなのです」

大甘裁定?

 池添騎手は28日、自身のXで、

【この度は皆さんの信頼を失う行動をとってしまい申し訳ありませんでした。
JRA、競馬関係者の方、そして応援していただいてるファンの方にもご迷惑をかけ、失望させてしまいました

富田とは2人で話をし、お互い謝罪をしております。

失った信頼を取り戻せるようまた一つ一つ頑張りたいと思います。】

 と謝罪。一件落着したかに見える。ところが、

「今回の件は、かなりの大甘裁定ではないでしょうか」

 とは、さる競馬関係者。

「一部報道にもありましたが、富田騎手は、池添騎手から暴行を受けた結果、鼻骨と肋骨を骨折したと聞いています。たとえば一般企業で、先輩社員が17歳も年下の後輩に同じことをしたら懲戒処分は免れないでしょうし、警察沙汰になってもおかしくない案件ですよ」

 仮にそんな大怪我を負わせてしまっていたとしたら、確かに騎乗停止処分だけでは済まないはず。果たして真相はいかに。裁定を下したJRAに訊ねた。

ちょっとその辺は…

――富田騎手は鼻骨を骨折した?

「(池添騎手、富田騎手の)双方とも怪我をしているという報告を受けているが、怪我の内容までは把握していない。ただ、6月27日時点で、騎手の業務を行う上での支障がない程度の怪我だったと聞いている」

――警察には通報したのか

「警察に相談はしていると聞いているが、捜査については把握していない」

――処分が甘いという声が上がっているが

「行為自体は許されないことだが、双方が反省していること、被害者感情がお互いにないことを勘案して、総合的に判断したのが今回の裁定の結果だ」

 このままでは真相は藪の中だ。そこで現在、騎乗停止処分中の池添騎手本人にも訊ねてみた。

――池添騎手の暴力で、富田騎手の鼻骨が折れたのでは?

池添騎手 「ちょっとその辺は、二人の間で話をして、きちんと和解していますし、僕も事務所に所属していますし……、JRAからも話すなと言われていまして、すみません」

――処分が甘いという声もあるが

池添騎手「すみませんがお答えできません」

デイリー新潮編集部