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ドラマ「スター・ウォーズ:アコライト」主演のアマンドラ・ステンバーグは、同作出演以来アンチファンから「耐え難い人種差別」を受けていることで、対抗手段としてラップによる楽曲とビデオを自主的にリリースした。ラップトップを用いて72時間で制作したから、アンチも72時間以内に返答するようにと呼びかけている。

これまで「アコライト」は、作品内容の良し悪しとはまた違った面で、一部の層からの非難を浴びている。監督のレスリー・ヘッドランドはクィアであり、ドラマの第3話では双子の姉妹である主人公が、女性の両親によってフォースの力で生まれた命であったことが明かされる。こうした側面が保守派ファンからバッシングの対象となっており、ドラマは米Rotten Tomatoes上で近年の『スター・ウォーズ』史上最低の一般評価にあえいでいる(14%)。

主演のステンバーグの元にも差別的なバッシングが殺到しているという。掘り起こされているのが、彼女が2018年に主演した映画『ヘイト・ユー・ギブ』時のインタビューだ。黒人差別が招いた悲劇を描いたこの作品で当時インタビューに答えたステンバーグは、「白人が泣くこと」がこの映画の目標だと答えていた。今回、これが誤った文脈で再発見され、あたかもステンバーグが「アコライト」について語ったかのように曲解され、拡散されているのだ。

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こうした誤解と偏見、差別意識に基づくバッシングに対し、ステンバーグはついに痺れを切らした。自身のSNS上にミュージックビデオを投稿し、リリックに怒りを滲ませた。「またTwitterでバズるんだろうな」とのラインから始まるこのオリジナル楽曲では、まず「白人が泣くこと」発言について正しい背景を歌っている。「警察が黒人の少年を殺害していた」「どんなことを知ってほしいかとトレバー(編注:インタビュー番組の司会者)に訊かれ / 私は白人が泣くのが目標だと答えた / 彼らが一つだけ得られるなら何が良い?と訊かれ / 私は共感性と答えた / あー それで怒っちゃったの?」

フックでは「つまんないから お前の無駄話には関わりたくない」と繰り返している。また、「連中は 私たちの痛みと暴力を混同し / 私たちのやること全てを武器にしようとする / 抑圧者の絶望は高まっている / そして今 連中は使えるものにはなんでもしがみついている / もし誤情報に頼るなら / それは真実を恐れているということ」「連中は“WOKE”を紡いで 劣化させ 使いまわした / “WOKE”は私たちが作ったものだ / 権力に真実を語れ / 愚かな差別主義者に気をつけろ」と反撃し、誤った文脈を拡散したメディアについても「そういえばジャーナリスト あんたたちのことも見てる / 真実を伝えるって仕事を忘れたの?」「金とPV数のために倫理を捨てたんだね」と痛烈に批判した。

ステンバーグはアンチに対して72時間以内のレスポンスを求めている。これには、メッセージやネットのコメントによる陰湿な攻撃のやり取りを、音楽など、よりクリエイティブな形に置き換えたいという、彼女の考えがあるのかもしれない。

ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディCEOは、「『スター・ウォーズ』に飛び込む女性たちの多くは、さらに苦労していると思います。なぜなら、ファンベースが非常に男性支配的だからです。彼女たちは時々、極めて個人的なことで攻撃されてしまいます」と。監督のヘッドランドは「アコライト」の配信開始に先駆けて、「偏見や人種差別、ヘイトスピーチをする人を、私はファンだとみなしません」とのコメントを語っている。レビューサイトRotten Tomatoesの一般スコアにおいては、アンチによるも指摘されている。

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