現在はスパーズに所属するソロモン photo/Getty Images

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イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパーがイスラエル代表MFマノー・ソロモンを獲得したことに関して、移籍元のシャフタール・ドネツクが法的措置を検討していることが明らかになった。

英紙『Daily Express』紙が報じているが、問題の発端はウクライナ紛争だ。FIFAはロシアとウクライナのクラブ所属の外国籍選手やコーチは、契約を一時停止して他クラブへ移籍が可能という特別処置をとった。そのため、ソロモンはフラムへの期限付き移籍を経て、2023年夏にスパーズと5年契約を締結した。

シャフタール・ドネツクとの契約は2023年末までとなっていたが、同クラブのセルヒー・パルキン会長は、ウクライナ戦争を利用してフリートランスファーで価値のある選手を失い、移籍金を得る機会を奪われたとして法的処置を取ることを示唆している。

スパーズとしてはFIFAの処置に従って行動したまでだが、そもそもこのようなイレギュラーな規則が導入されたのは紛争が原因だ。

ドネツクはウクライナ軍とロシア軍が対峙する最前線にもほど近く、この紛争で大きな被害を被っている。さらには、戦争がなければ導入されなかったルールにより得られるはずの移籍金を逸した。「泣きっ面に蜂」とはこのことだ。

この怒りの矛先はFIFAに向かう可能性もある。安全を最優先にした人道的な処置だが、FIFAは経済的な補填などの支援について再考を迫られるかもしれない。