今回は、ジョーシン浦和美園イオンモール店に洗濯機の売れ筋を尋ねました。

洗濯機には、従来の縦式と乾燥力の強いドラム式がありますが、同店の売れ行きで見ると大まかに6:4の割合になっていると家電コーナー担当スタッフの館野渉大氏はいいます。

モデル単位の売れ筋を見ても、トップ5は縦式が並ぶとのこと。ただ、ここ最近はちょっとした変化が起きているそうです。「予算を抑えて8kgタイプを選ぶ人が増えています。縦式は長らく10kgタイプが主流ですが、コロナ禍前は10万円を切るモデルが多かったのが、現在は10万円切りが厳しくなっていますから」

ジョーシン浦和美園イオンモール店の洗濯機売り場。冷蔵庫と同じく、館野渉大氏に案内してもらった

そうした変化を踏まえて、直近の売れ筋トップ5+ドラム式1番人気を挙げてもらいました。「洗濯機購入前の3つのポイント」を踏まえて、順に追いかけていきましょう。

○<洗濯機購入前の3つのポイント>

自宅では防水パンの寸法だけでなく、壁からの脚幅や高さの余裕もチェックしておきたい。

現在の予算感は、縦式の10kgタイプで12万〜13万円、ドラム式で25万円前後とみておきたい。

新製品の切り替え時期は、縦式が5〜6月、ドラム式は秋ごろ。動向をチェックして買い替えたい。

※本文と写真で掲載している価格は、2024年5月22日15:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:洗浄力で選ばれる日立「ビートウォッシュ BW-X100J」

トップに選ばれたのは、日立グローバルライフソリューションズの10kgモデル「ビートウォッシュ BW-X100J」でした。衣類を長持ちさせる「ナイアガラビート洗浄」や「つけおきプラス」などの機能を備え、取材時の価格は118,000円でした。

「作業着を頻繁に洗う必要があったり、運動部のお子さんがいたりして、洗浄力を求めるご家庭に定番の人気があります。標準洗浄時間が30分と短く、標準使用水量が103Lと少なめなのも評価されていますね」

日立「ビートウォッシュ BW-X100J」

第2位:新「次亜除菌」が好評のパナソニック「NA-FA10K2」

対抗馬の2位は、パナソニックの10kgモデル「NA-FA10K2」です。「スゴ落ち泡洗浄」や「スマホで洗濯」機能などを備え、取材時の価格は118,000円でした。

「衣類の汚れ落ち以上に、洗濯槽の汚れやカビの発生を気にするご家族によく選ばれます。新「次亜除菌」という、洗濯槽と一緒に衣類の匂いの原因菌も除菌できるコースが決め手といえますね」

パナソニック「NA-FA10K2」

第3位:高さを抑えて高洗浄な東芝「ZABOON AW-10DP3」

3位は、東芝ライフスタイルの10kgモデル「ZABOON AW-10DP3」でした。洗浄力の高さで支持されるシリーズで、洗浄時29dBの静音設計やコンパクトなデザインも評価されているそうです。取材時の価格は108,000円。

「ライバルと比べて、高さが10cm近く低く作られています。洗濯機の上に乾燥機や棚を置いている場合も楽に洗濯ができるということで、洗浄力と静かさも加味して総合的に選ばれている印象です」

東芝「ZABOON AW-10DP3」

右に並ぶ2製品よりも低いデザイン

第4位:穴なし槽で高節水性のシャープ「ES-GV10H」

4位も、比較的コンパクトな10kgモデルがランクインしました。シャープの「ES-GV10H」で、取材時の価格は109,800円。側面に穴がない洗濯槽を採用することで、標準使用水量102Lの節水性と、槽の外側の黒カビを防止しているのが特徴です。

「節水性の高さとコンパクトさが評価されていますね。上蓋を開けた高さが1,287mmと、3位のAW-10DP3(1,300mm)よりも低く抑えているのもポイントです」

シャープ「ES-GV10H」

第5位:7万円切りの8kgモデル、アクア「AQW-V8P」

5位には8kgモデルが入っています。アクアの「AQW-V8P」で、取材時の価格は69,800円。蓋を閉めても洗濯槽の様子が分かる「クリアワイドガラストップ」を採用し、強めに洗える「強水流モード」も備えています。

「ファミリー層でもそこまで容量を求めない、という方に人気があります。コスパが高いですし、ひと昔ほど海外メーカーを忌避する傾向もなくなっているので、幅広く売れていますね」

アクア「AQW-V8P」

ドラム式1位:実績と安定感のパナソニック「NA-LX125CR」

ドラム式で一番人気となっているのは、パナソニックの12kgモデル「NA-LX125CR」でした。乾燥容量は6kgで、洗濯から乾燥まで最大容量でこなす目安時間は119分となります。取材時の価格は238,590円。

「長らくドラム式を牽引しているブランドという安心感がありますし、4本のサスペンションを使って振動を抑えるなどの安定感もあります。値札にも貼っていますが、『迷ったらコレ!!』という感じで定番の売れ方を続けていますね」

パナソニック「NA-LX125CR」

著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年〜)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007〜2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら