この記事をまとめると

■現在の軽トラはダイハツ・ハイゼット系かスズキ・キャリイ系のふたつにわかれる

■かつてホンダ・アクティやスバル・サンバーには独特なカラーリングの特別仕様車が存在した

■いまでは入手困難な激レアな軽トラモデルを4つ紹介

「働くクルマ」を払拭したマニアに刺さる特別なモデル

 軽トラックといえば働くクルマの代名詞的なところもあるが、近年では、その高い走破性や広い荷台に注目し、オフロード走行を楽しむ人や荷台にオリジナルの架装を施してキャンパー仕様にするなど、個人で楽しむユーザーも増えてきた。

 しかし現在、新車で購入できる軽トラックはダイハツ・ハイゼット軍団(トヨタ・ピクシストラック、スバル・サンバー)とスズキ・キャリイ軍団(日産NT100クリッパー、マツダ・スクラムトラック、三菱ミニキャブトラック)の実質2車種となっている。

 そこで、「中古車でもいいから個性的な軽トラックがほしい!」という人に、過去に存在した限定車や特別仕様車をご紹介しよう。

ホンダ・アクティトラック スピリットカラースタイル

 残念ながら2021年4月に惜しまれつつも歴史に幕を閉じたホンダの軽トラックであるアクティトラック。過去には6輪仕様でリヤにゴム製クローラを装着できる「アクティ クローラ」なる変わり種モデルが存在したが、2018年11月に発表された特別仕様車がこのスピリットカラースタイルである。

 これは、アクティの前身であるT360の誕生55周年を記念して設定されたもので、T360をイメージした「ベイブルー×ホワイト」のカラーと、ホンダの発電機や耕運機などに用いられるカラーをイメージした「フレームレッド×ブラック」のカラー、2種類のツートンカラーが用意され、荷台のサイドにはHondaのロゴステッカーが貼られるなど、メーカー純正とは思えないカスタマイズモデルとなっていたのだ。

スバル・サンバーWRブルーリミテッド

 現在はハイゼットのOEMとしてその名を残すサンバーだが、過去はスバルオリジナルの4気筒エンジンと4輪独立サスペンションを持つ、唯一無二の軽トラックとして多くのファンを擁していた。

 そんなスバル製サンバーの発売50周年を記念して2011年7月にリリースされたのが、「WRブルーリミテッド」なるモデルで、その名のとおりスバルのラリーカーなどに用いられるイメージカラーのWRブルーをボディカラーに用いた特別仕様車だったが、1000台の限定台数(バンも含む)はあっという間に完売し、現在はプレミア価格となっている。

近年はゆとりのある室内空間を有したモデルが人気

三菱ミニキャブ スーパーキャブ/日産クリッパー キングキャブ

 こちらは限定車などではなく、特装車となるのだが、意外とその存在が知られていないのが、ミニキャブのスーパーキャブとそのOEMモデルであるクリッパー キングキャブではないだろうか。

 軽トラックは荷台スペースを確保するためにキャビンは狭く、乗員は直角に近い背もたれに座ることを強いられているが、荷台スペースを犠牲にする代わりにキャビン後方を延長し、余裕のある運転姿勢を取ることができるというのがこのモデルだ。

 現在ではハイゼットジャンボやスーパーキャリイが知られるところで、当時それに対向するためにリリースされたモデルだったが、残念ながらハイゼットジャンボの牙城を崩すには至らなかった。

スズキ・スーパーキャリイ Xリミテッド

 現在購入できる軽トラックの特別仕様車のなかで、もっとも注目度が高いのがスーパーキャリイXリミテッドだろう。

 広いキャビンが魅力のスーパーキャリイをベースにブラックをテーマにした加飾がプラスされており、フロントガーニッシュやLEDヘッドライトの内部、フォグランプベゼル、ドアハンドル、ドアミラーなどがブラック化されており、専用デカールも備わるスペシャルモデルだ。

 それまでは4WDの5速MTのみの硬派なラインアップだったが、先日の改良で2WDモデルも追加となり(ただしトランスミッションはMTのみのまま)、より選択肢に幅が出たのも魅力となっている。