世界の家電はどう違う? 前編 - 普及が進む中国のスマートホーム事情
日本の家電は世界のトレンドとは異なる独自の発展をしています。そのため一部の日本家電はガラパゴスと呼ばれることも。実際のところ世界と日本の家電事情はどう違うか、15年連続で世界の大物生活家電で売上トップシェアをキープするハイアールを取材しました。前編では「スマートホーム」、後編では「家電トレンド」について紹介します。
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中国のスマートホームはどこまで進んでいるのか? ハイアールの目指すスマートホームの一端を体験できる、上海にあるハイアールの高級ブランド「カサルテ」旗艦店を訪れました
○スマート家電の保有率が世界1位の中国
中国はスマート家電大国。アメリカの統計会社調査によると、中国のスマート家電保有率は全世界で1位。アメリカよりも高数字です。中国の家電メーカーであるハイアールも、もちろんスマート家電に力を入れています。
ハイアールのスマートホームを語る上で外せないのは、「三翼鳥」というコンセプトです。中心となる「ハイアール」ブランドのほか、高級ラインの「カサルテ」、若者向けの「リーダー」という3つのブランドを展開。さらに、日本のアクアやニュージーランドのFisher&Paykelといった各国の家電メーカーを傘下に収めています。三翼鳥とは、こうしたブランドの垣根を越えて、家全体をトータルカスタマイズするという考え方です。
家全体をコーディネートするには、スマートホームの存在も重要。IoT家電の制御はもちろん、水設備や空調といったインフラも加えて、住環境をまとめて制御することで一層の快適かつ省エネを目指します。
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ハイアールの高級ブランド、カサルテの旗艦店では、さまざまなスマート家電を体験できます。写真は顔やボディサイズを登録することによって、着せ替えシミュレーションもできるスマートミラー。気に入ったコーディネートはリアルタイムで購入可能です
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家電や住宅設備だけでなく、デザインを含めて家をトータルコーディネート。建材なども選べるようになっていました
○電気、空気、水、住まいの基本をすべてスマートにコントロール
三翼鳥コンセプトでは、インフラのほとんどをスマートホームシステムで制御できます。
たとえば空調設備。家中のエアコン、加湿器、除湿機、床暖房といった空調設備をトータル制御することで、部屋全体の温度や湿度を快適&省エネに。部屋ごとの温度や湿度、空気の汚れやCO2濃度なども見える化します。
「水」関連も、浄水器、軟水器、給湯器などをまとめてコントロール。自宅の水設備の状態や使って水量、水質、給湯温度といった項目を、専用モニターやスマートフォン、テレビでチェックできます。
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自宅の環境状態をテレビに表示させたところ。電気の使用状況や温水の制御状況、各部屋の温度や湿度、どの家電が動作しているかなどを、細かく表示させることもできます
空調・水道設備に不具合があった場合は、ユーザーと修理業者で情報を共有。業者があらかじめ故障内容を知っておくことで、自宅へ修理にきたとき短時間で的確に作業できる点も大きなメリットです。
ユーザーが外出先から不具合を知ることも可能なので、シニア世帯の見守りツールとして導入を考える家庭も多いといいます。また、強い風が吹いたら自動でシャッターを閉める、起床時間になったら照明を点灯してカーテンを開けて音楽を鳴らすといった、スマートホームと聞いてイメージする機能も利用できます。
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日本では見かけたことのない機器もいろいろありました。エアコンのようなこの製品は、全館用フレグランス加湿器。家中を加湿しつつ、ルームフレグランスいらずに
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基本的に軟水がほとんどの日本ではあまり見かけない全館軟水器も。地方によってミネラル分の多い硬水が湧く中国では、健康のために軟水化する家庭もたくさんあるとか
スタイリッシュなモニタリングデバイスが用意されているのも魅力のひとつ。日本の大手メーカーにも家全体の電気を制御するスマートホームシステムはあるのですが、専用モニターやインタフェースには「昔ながらのデザイン」を感じるものが多かったりします。
一方でハイアールは、スマートモニターにソリッドで高級感のあるデザインを採用。シンプルなデザインにこだわっているぶん、機械が苦手な人には操作が難しく感じられるかもしれませんが、「スマートホーム」という言葉から未来的なわくわく感が伝わってくる見た目です。「所有したい」と思わせるデザインの製品が多い点も、中国のスマートホーム化が進んでいる理由のひとつかもしれません。
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リビング設置を想定した専用スマートモニター。家中の環境を表示でき、エアコンや照明、BGMなどを操作するスマートスイッチとしても機能します
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寝室や勉強部屋などへの設置を想定したミニサイズのスマートモニター。こちらは照明のスイッチとして配置しても違和感のないサイズ
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ここ数年、グローバル家電市場で増えている「モニター付き冷蔵庫」。冷蔵庫に搭載したモニターで料理のレシピを検索したり、食材を注文したりできるという便利さから人気です。ハイアール製品では、冷蔵庫モニターにスマートホームの情報を表示させることも可能。キッチンからベビーカメラの映像をチェックする……といった使い方もできます
日本で「スマートホーム」という言葉が広まってからだいたい10年以上たちますが、いまだスマートホームの定義はあいまい。場合によっては「IoT家電がある家」をスマートホームと呼ぶこともあります。
本来、スマートホームとは「家全体をひとつのシステムとして賢く管理・運用する」もの。家全体をコントロールすることで生活が便利になり、エネルギーの効率的な使用で省エネにもつながります。家全体のスマートホーム化は工事も費用も必要なので、手軽にできるものではありませんが、サステナブルな社会の実現という意味でも今後は日本でも普及が進んでいくでしょう。
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倉本春 くらもとはる 生活家電や美容家電、IoTガジェットなど、生活を便利にする製品が大好きな家電ライター。家電などを活用して、いかに生活の質をあげつつ、家事の手間をなくすかを研究するのが現在最大のテーマ。 この著者の記事一覧はこちら
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中国はスマート家電大国。アメリカの統計会社調査によると、中国のスマート家電保有率は全世界で1位。アメリカよりも高数字です。中国の家電メーカーであるハイアールも、もちろんスマート家電に力を入れています。
ハイアールのスマートホームを語る上で外せないのは、「三翼鳥」というコンセプトです。中心となる「ハイアール」ブランドのほか、高級ラインの「カサルテ」、若者向けの「リーダー」という3つのブランドを展開。さらに、日本のアクアやニュージーランドのFisher&Paykelといった各国の家電メーカーを傘下に収めています。三翼鳥とは、こうしたブランドの垣根を越えて、家全体をトータルカスタマイズするという考え方です。
家全体をコーディネートするには、スマートホームの存在も重要。IoT家電の制御はもちろん、水設備や空調といったインフラも加えて、住環境をまとめて制御することで一層の快適かつ省エネを目指します。
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○電気、空気、水、住まいの基本をすべてスマートにコントロール
三翼鳥コンセプトでは、インフラのほとんどをスマートホームシステムで制御できます。
たとえば空調設備。家中のエアコン、加湿器、除湿機、床暖房といった空調設備をトータル制御することで、部屋全体の温度や湿度を快適&省エネに。部屋ごとの温度や湿度、空気の汚れやCO2濃度なども見える化します。
「水」関連も、浄水器、軟水器、給湯器などをまとめてコントロール。自宅の水設備の状態や使って水量、水質、給湯温度といった項目を、専用モニターやスマートフォン、テレビでチェックできます。
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空調・水道設備に不具合があった場合は、ユーザーと修理業者で情報を共有。業者があらかじめ故障内容を知っておくことで、自宅へ修理にきたとき短時間で的確に作業できる点も大きなメリットです。
ユーザーが外出先から不具合を知ることも可能なので、シニア世帯の見守りツールとして導入を考える家庭も多いといいます。また、強い風が吹いたら自動でシャッターを閉める、起床時間になったら照明を点灯してカーテンを開けて音楽を鳴らすといった、スマートホームと聞いてイメージする機能も利用できます。
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スタイリッシュなモニタリングデバイスが用意されているのも魅力のひとつ。日本の大手メーカーにも家全体の電気を制御するスマートホームシステムはあるのですが、専用モニターやインタフェースには「昔ながらのデザイン」を感じるものが多かったりします。
一方でハイアールは、スマートモニターにソリッドで高級感のあるデザインを採用。シンプルなデザインにこだわっているぶん、機械が苦手な人には操作が難しく感じられるかもしれませんが、「スマートホーム」という言葉から未来的なわくわく感が伝わってくる見た目です。「所有したい」と思わせるデザインの製品が多い点も、中国のスマートホーム化が進んでいる理由のひとつかもしれません。
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日本で「スマートホーム」という言葉が広まってからだいたい10年以上たちますが、いまだスマートホームの定義はあいまい。場合によっては「IoT家電がある家」をスマートホームと呼ぶこともあります。
本来、スマートホームとは「家全体をひとつのシステムとして賢く管理・運用する」もの。家全体をコントロールすることで生活が便利になり、エネルギーの効率的な使用で省エネにもつながります。家全体のスマートホーム化は工事も費用も必要なので、手軽にできるものではありませんが、サステナブルな社会の実現という意味でも今後は日本でも普及が進んでいくでしょう。
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