お店選びに迷っている人必見!東京のグルメシーンを賑わす、話題の新店5選
デートや女子会、友人との食事など……注目のレストランを最新にアップデートしてこそ、店選びの幅はどんどん広がる。
肉の匠が営む『すきやき あさい』、話題沸騰中の『立呑み中華 起率礼(きりつれい)』、フレンチ酒場『haruna』、破格のおまかせが楽しめる『鮨 田中』、人気イタリアンが手掛けるバー『and Svolta』。
今回は、グルメな大人たちにおすすめしたい、東京都内で話題の新店5軒をご紹介!
1.今年の話題を攫うと早くも囁かれる、ハイエンドなすき焼きがしみじみ旨い
『すきやき あさい』@虎ノ門ヒルズ
天然木をふんだんに使い、贅を凝らした数寄屋造りのカウンターには静謐な空気が漂う。背筋を正して肉に向き合いたい
多くの要人が愛した名店の流れを汲む、すき焼きの新進気鋭
「すき焼き」は他ジャンルと比べると、新店が登場することが実に稀だ。
が、8年前に惜しまれつつ半世紀超の歴史に幕を下ろした名店に在籍していたスタッフが集結、その味わいに磨きをかけた大型ルーキーが出現した。
それが、『すきやき あさい』。
肉の匠が、そのポテンシャルを最大限に引き出した味わいに圧倒!
『サカエヤ』がベストな状態に仕上げた肉は目を見張る存在感を放つ
吟味した主役は、数多の料理人が取り扱いたいと願う滋賀の精肉店『サカエヤ』でベストな状態に仕上げられた近江牛。
牛脂をひいた南部鉄のすきやき鍋で片面を焼き、割り下を注ぐと食欲を掻き立てる音と匂いが
スライサーを使わず手切りで4mm厚にカットされたサーロインを、かの名店で培われたテクニックを駆使して最善の状態に焼いてくれる。
肉は、ひと口目は白身だけで味わうのがオススメの食べ方だ。おまかせコース¥20,900
品の良い甘みが肉の旨みを引き立てる割り下をまとった牛肉を、白身をきめ細かく泡立てた平飼いの有精卵とともに食せば……、黒毛和牛の豊かな芳味に思わずため息が漏れるほど。
土佐酢卵黄、ホースラディッシュおろしなどの“味変”アイテムもあり、肉の魅力を存分に味わい尽くせる。
牛肉や割り下の味わいとのマリアージュを踏まえて、ワインはブルゴーニュとシャンパーニュを中心にそろえている。
エントランスは邸宅を思わせる趣。余裕がある空間使いにも風情を感じる。奥に個室が
温故知新の精神に富んだ、すき焼きの新たなる名店の誕生だ。
2.立ち飲みのレベルを超えた、中華の新星
『立呑み中華 起率礼』@自由が丘
自由が丘駅から徒歩約3分。居酒屋やスナックが軒を並べる路地裏、通称“L字が丘”に店はある。開店前から行列ができる日も
高級店さながらのダイナミックな鮮魚料理を、立ち飲みで味わう愉悦!
数多の名店を食べ歩いたフーディーの間でも、開店以来、話題沸騰なのがこちらの『立呑み中華 起率礼』。
気軽なスタンディングスタイルでありながら、料理は至って本格。しかも小さいポーションで出してくれるから、あれこれつまみながら飲めて“言うことなし!”の新星なのだ。
学芸大学の人気店『立呑み 鉄砲玉』の新業態と聞けば、合点がいく。
厨房をひとりで切り盛りする井上さん。見事な手際で鍋を振り、次々に料理を仕上げる
若きシェフの井上史子さんは「ザ・リッツ・カールトン大阪」の『中国料理 香桃』や『中華香彩JASMINE 広尾本店』、「ウェスティンホテル東京」の『広東料理 龍天門』などでの修業経験を持つ。
名店で鍛えた腕前を眼の前で見せつけ、その味わいで胃袋を鷲掴みにしてくれるのだからたまらない。
小型の魚1尾をふっくらと蒸す「香港式蒸し魚」¥1,120(魚種により変動)。
タレと薬味をのせて熱した油をかけると、香りが立ち上る。
1年ものの豆板醤と3年熟成のピーシェン豆板醤を使う「熟成麻婆豆腐」¥890。
オイスターソースの旨みも活用する広東式レシピで。
タレに忍ばせた芝麻醤(チーマージャン)のコクと自家製ラー油の香味とが融合する「名物よだれ鶏」¥690。
「香港焼きそば」(¥790)は酒のアテになる逸品。
水出ししたお茶を焼酎で割る「UMACHA」は台湾鉄観音(左)やキンモクセイ烏龍(右)など6種類が。各¥590
ライブ感と香り高い品々に、ついお酒が進む。黒板メニューには定番以外にも旬の魚介や野菜を使った料理があり、訪れるたび新しい味に出合える。
3.白金の憩いの場所がめでたく復活。“酒場”を謳いつつ、その味はハイレベル
『haruna』@白金高輪
客席はカウンターとゆったりとしたテーブルのほか、奥には個室も
ワインを片手に気負わず楽しみたいという日の最適解
恵比寿三丁目から“北里研究所病院”の前、そして白金高輪方面へと伸びる、白金北里通り。昔ながらの商店街の風情を残しつつ小体ながら個性のある飲食店が点在する、隠れたグルメストリートだ。
そんな通りから1本奥に入った住宅エリアに“フレンチ酒場”を標榜する『haruna』が開店した。
飄々とした雰囲気の春名さん
オーナーシェフの春名正裕さんは、かつて白金高輪駅にほど近い一角で『HARUNA〜brasserie〜』というフレンチレストランを営んでいた。
約4年間のブランクを経て同じ白金エリア内で移転、店名を改めるとともに店の形態も刷新することに。以前はコース中心だったが、こちらではアラカルトのみに。
「ブーダンノワール」(¥1,200)は、衣をつけて揚げるまさかの“天ぷら”仕立て!えも言われぬ味わいと食感に感嘆すること必至の名作
メニューには、手をかけて作るパテ・ド・カンパーニュやブーダンノワール、炭火を操り絶妙な火入れで仕上げる肉の炭火焼といった骨太な料理もあれば、〆のパスタや炊き込みご飯もアリ。
ロゼ色の断面が美しい「仔羊の炭火焼」¥3,800。
5種類のこしょうとゲランドの塩をブレンドした自家製スパイスを添える。
イタリアンの巨匠のもとで働いた経験が生かされた「スパゲティアラビアータ」(¥1,800)は、たっぷり入ったイタリアンパセリの風味がくっきりとした味を醸し出す。
フランス、イタリアなどさまざまな国のワインが楽しめる
ワインはグラス¥1,000〜、ボトル¥5,000〜。好みのブドウ品種や味わいを伝え、相談しながら決めるスタイルで
肩肘張らずに訪れられて、ワインがはかどるスタイルに進化と、なんとも嬉しいリニューアルだ。
4.そのお値打ち感で確固たる地位を築いた、人気店のDNAが迸る“歓喜の鮨”
『鮨 田中』@白金高輪
余計な装飾を排した、潔い空間。内装は、人気の鮨店を多く手掛けるデザイナーによるもの
若き職人の鮨への意気込みが漲る、凛とした空間が心地良い
白金高輪と麻布十番の、ちょうど中間あたり。麻布通りに面した真新しいビルの1階に、気鋭の鮨店『鮨 田中』がオープンした。
2月下旬にオープンしたばかりながら、鮨好きからは早くも熱視線が注がれている。
天草で育った田中さん。開業前には、地元の生産者や作家のもとを訪れて、理想の鮨を具現化していったという
店主の田中 竜さんは、16歳で料理の世界へ。その後18歳で上京し、やがて渋谷『鮨 利粼』に入ると二番手でめきめきと頭角を現し、2021年には『鮨 利粼 青山』の大将として、店の立ち上げを担うまでになった。
そして2024年、かねてから心に抱いていた「30歳までに独立する」という夢を実現させ、ついに南麻布に自身の城を構えた。
南麻布で1万9,000円。破格のおまかせに思わず口元が緩んでしまう
海の幸に恵まれた熊本・天草出身だけあり、多くのタネを故郷から仕入れる。
またユニークなのは、酢飯に使う2種類の米を別々に炊いてから飯台で合わせること。それぞれの持ち味を最大限に活かすためと、手間を惜しまない。
「中トロ」は、漬けダレにくぐらせてさっと脂を落とすひと仕事を。この日は勝浦で揚がった167kg超。
江戸前鮨の代表的なタネ「煮だこ」は、天草産の真蛸をほうじ茶で10時間以上かけて柔らかく煮上げる。器も天草の高浜焼。
こちらも天草名産である「車海老」は大きさが桁違い!
見た目が鮮やかな巻き物にアガる
つまみで登場する「イワシの磯辺巻き」は、酢で軽く締めたイワシを大葉、キュウリ、ミョウガとともに巻いた、彩りも美しい一品。
「サラダのような感覚で召し上がって下さい」
料理はすべてコース(¥19,000)からの一例。
酒は「十四代」「新政」などの希少な銘柄から「磯自慢」、季節限定の生酒までを幅広くそろえる。田中さんの“推し”は熊本「花の香酒造」の「産土(うぶすな)」
圧倒的な熱量を込めて繰り出す鮨の味わいとその価格とに驚かされるべく、いち早く駆けつけたい。
5.人気イタリアン『malca』の手掛けるバーが、洗練された社交場に
『and Svolta』@外苑前
新旧さまざまな飲食店が立ち並ぶ外苑西通りで、ひときわ目を引くガラス張りの店構え。『malca』のアートワークを手掛ける中野浩樹さんの作品もインパクト大
日中から夜まで、多忙な大人を癒やしてくれる止まり木的な一軒
2022年に彗星の如く現れたイタリアン『malca』。選択肢豊富なアラカルトの楽しさと、北野 司シェフの『TACUBO』仕込みの確かな技術が相まって、たちまち予約困難に。
その後は近隣で『焼肉もちお』、『とんかつ ここまでやるか。』を手掛けて、今や“外苑前の雄”とでもいうべき“チームmalca”が、『malca』と同じビルの1Fにバー『and Svolta』を開いた。
『malca』のウェイティングや、ディナー後の2軒目として使うもよし。あるいは、11時半からの通し営業なので、スイーツとコーヒーでひと息、アペロタイムにちょっと1杯、といった使い方もアリ。
まさに、オールラウンドプレイヤー的な一軒だ。
『malca』の定番をこちらでも楽しめる!
「やま幸さんの本マグロ、タルタルのブルスケッタ」(¥1,500)はまぐろの“突先”と“スジトロ”をイタリアンに昇華
さらに、この春からは『malca』の前菜類をフードメニューとして味わえるように!
北野さんの故郷・淡路島産の新玉ねぎの甘みをフルーツトマトのジュレとオリーブオイルが引き立てる「原田青果さんの新玉ねぎのムース」¥1,000。
カフェタイムでは『malca』のドルチェも
レストランのドルチェとして人気の「バスク風チーズケーキ」(¥900)は淡路の塩、キャラメリゼしたリンゴ、マルサラ風味のクレーム・シャンティイとともに。
ワインはフランスを中心に、各国のナチュールも
また、店内では『malca』で使っている食器や調味料、「木内酒造」とコラボレーションしたクラフトビールやウイスキーなどの販売も。
人気店のエッセンスを、日常の1シーンに取り入れてみては。
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