世界最先端のテックが一堂に会するコンベンション「TOA」に参加すべき理由
6月4日から7日にかけてベルリンにて開催される「TOA(Tech Open Air)」。2012年に初開催されて以来、回を追うごとに規模が大きくなり、現在では欧州最大級のテックカンファレンスとなっています。コロナ禍でオンラインのみの開催だった時期もありましたが、今年は大々的に敢行されます。
TOAが網羅するジャンルはAI、Web3.0、AR、量子コンピューティング、バイオ、医療、モビリティからアート分野まで、非常に多岐にわたっており、音楽や映画のコンベンションも兼ねた複合型イベントとなっています。その規模や内容の充実度から、「欧州のSXSW」とも呼ばれるほどです。
世界のテックの最前線を知る意味でも重要で、特にこれから海外展開を考えているスタートアップにとっては、参加する意味が大きなイベントといえます。しかし、規模が大きすぎて、全貌がなかなか見えにくいのも事実。そこで2017年よりTOAの日本公式パートナーを務めているインフォバーンが、TOAがどんなイベントなのかを解説するトークセッションイベント「ベルリン発・テックカンファレンス『TOA』から見るイノベーションの最前線!」を4月24日に開催しました。
ちなみにトークセッションの会場となったTokyo Innovation Baseは、東京都が立ち上げたスタートアップ支援拠点。
スタートアップ関係者が企業や大学・研究機関とつながっていくことを目的としていて、有楽町駅からすぐの便利な立地に、5,000平米を超える広々とした空間を確保。ステージや会議スペースのほか、3Dプリンターなどを使った製品プロトタイプの製作ができる「ファブスペース」なども設けられています。
将来的な起業を目指す学生がたまり場として活用してもOK。若いクリエイターやエンジニアが集う居心地のいい空間です。
スタートアップが集う都市ベルリン
まずはTOAにも頻繁に足を運んでいるインフォバーン代表取締役会長CVOの小林弘人氏からイベントの概要を説明。その後、TOA創業者のニコラス・ヴォイシュニック氏からのビデオメッセージが。
続いて日本貿易機構(JETRO)ベルリン事務所の岡本繁樹氏と小菅宏幸氏から、ベルリンのスタートアップエコシステムについて、現地からリモートで解説がありました。
いわく、ベルリンは欧州でもスタートアップへの支援が非常に手厚い都市で、欧州のスタートアップハブとして注目されているとのこと。その理由としては…
1. 英語が通じやすく国際的な人材が集まっている
2. 欧州では比較的物価が安く若者が住みやすい
3. インキュベーターやコワーキングスペースなどのインフラが充実している
4. 音楽やアートに対して理解があり支援体制もある
といった理由を挙げていました。アメリカと比べると、地理的にアジアやアフリカの人材が集まりやすいことも大きいようです。
次にBusiness Insider Japan副編集長の三ツ村崇志氏を交え、TOAの注目イベントを紹介。
TOAではメイン会場でのイベント以外にも、サテライトイベントと称して、期間中にベルリン周辺のさまざまな会場でワークショップなどが開催されます。今年はAIやアドバンスドコンピューティングなど以外にも、気候変動、合成生物学、医療・健康系が熱いジャンルだとのこと。
さらに宇宙ステーションに物資や人間を運ぶためのコストを大きく下げる「The Exploration Company」、トヨタやフォルクスワーゲンに自動運転シミュレーションソフトを提供している「Applied Intuition」、環境負荷の大きいコーヒー豆を使わないビーンレスコーヒーを開発している「Minus Coffee」など、時代の最先端を走る企業によるイベントを紹介していました。
いずれもテックが目指すべき未来を具体的にイメージさせて興味深いものがありました。
スタートアップの機動力を生かそう
続いてメディアジーンの中村寛子氏を司会に、実際に過去のTOAに参加して大きな成果を得た現役スタートアップ関係者、フォントメーカーのモリサワから派生したデザイン系スタートアップ「ZeBrand」の菊池諒氏と、データ活用向けのAIツールを提供している「Morph」の三橋啓多氏が登壇。
グローバル市場を目指す上で、TOAへの参加は実りが大きかったようです。
会場にはさまざまな国からスタートアップ関係者や投資家、テック業界のVIPが集まっていて、気軽に話しかけられる雰囲気があります。実際に話しかけると「じゃあ30分だけお茶しようか」となったりして、それが後の重要な人脈につながっていくことも多いです。
自分たちの製品のベータ版も、海外のユーザーからその場でリアクションがもらえるので、グローバルでユーザーを獲得したいなら足を運ぶ意味は大きいですね。(菊池氏)
自分たちが手がけている「機械学習」という分野がヨーロッパでは珍しいようで、会場でいろいろな人に興味を持ってもらえました。自分たちが気づいていなかったグローバル市場での価値を知ることができたのは大きかったですね。
文化のバックグラウンドが違う人たちと知り合えるし、実際に行ってみないと日本の強みがアピールできない。スタートアップだからこそ、機動力を生かして積極的に参加すべきコンベンションだと思います。(三橋氏)
グローバルでの最先端テック市場の熱気を感じる意味で、スタートアップ以外の企業関係者、投資家にとっても参加する意義は大きいでしょう。ただ、前述のように規模が大きく全貌が掴みにくいので、インフォバーンではとりわけ注目度の高い企業イベントやワークショップをピックアップしてアテンドする「TOA公認 ベルリン・イノベーション視察プログラム」を用意しています。
見学先としては、ドイツ最大級の医療研究所である「ベルリンヘルスイノベーション研究所(BIH)」、EVから義足まであらゆるモビリティを研究する共創空間「The Drivery」、バイエル薬品が主宰する最先端医療と農業研究所「Leaps by Bayer」、欧州最大のAIエコシステム「Merantix AI Campus」などが予定されています(変更の可能性もあり)。
視察プラン費用は以下です(金額はすべて税別)。
・1名:60万円(2名以降+55万円)
・スタートアップ割:38.5万円
費用には以下が含まれます。
・6月4日、7日の視察の通訳費用
・現地専用車チャーター費用
・一部食事(初日昼食と夕食、最終日夕食)
・事前勉強会、帰国後ラップアップ、報告会の参加権
※航空券・ホテルは含まれません。
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