by hans-johnson

アメリカの大手航空機メーカー・ボーイングのエンジニアで、その製造基準について内部告発をしたサム・サレプール氏が、テレビ番組「NBC Nightly News with Lester Holt」で放送されたインタビューの中で、ボーイング787型機の安全性に問題があると指摘し、適切な安全チェックのために世界中のボーイング787型機を全て運航停止にするべきだと述べました。

Boeing whistleblower says 787 fleet should be grounded | The Hill

https://thehill.com/homenews/4598076-boeing-whistleblower-says-787-fleet-should-be-grounded/

ボーイングは、2024年1月にボーイング737MAX9の壁面パネル脱落事故をきっかけに、製造過程で安全性をおろそかにして納期を優先する社内体制が問題視されていました。

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そして、ボーイングのエンジニアであるサレプール氏は2024年4月9日に記者会見を開き、ボーイング777型機とボーイング787型機の製造工程でも安全性が軽視されていたと内部告発を行いました。

サレプール氏によると、ボーイング787型機は胴体部分が適切に固定されておらず、数千回の飛行で破損する可能性があるとのこと。この問題は組み立てラインでの部品の取り付け方と固定方法に起因しているとサレプール氏は指摘しています。また、サレプール氏は具体的に明らかにしていませんが、777型機の製造工程にも問題があることを明らかにしました。

サレプール氏は1月にFAAのマイケル・ホイットエーカー長官宛の書簡で、ボーイング社の生産および品質管理プロセスに関する深刻な懸念を経営陣に繰り返し報告しており、これらのプロセスが潜在的に壊滅的な安全上のリスクを生み出していると考えていると主張したとのこと。

サレプール氏はインタビューで「私は自ら名乗り出て、自分で首を突っ込んだのです。しかし、私は自分自身と折り合いがついています。なぜなら、これは多くの人々の命を救うことにつながるからです」と語りました。



サレプール氏の告発について、ボーイングは真っ向から否定しています。ボーイングの広報担当者は、ボーイング787型機に関するサレプール氏の主張は不正確であり、航空機の安全性を確保するためにボーイングが行っている「包括的な作業」を代表するものではないと述べました。

広報担当者は「私たちはボーイング787型機に全幅の信頼を置いています。提起された問題はFAAの監督下で厳格な技術的検査の対象となっています。この分析によって、ボーイング787型機を含める航空機がその耐用年数を維持することが示されました」と述べています。

現地時間の2024年4月17日に、連邦議会上院が開く調査委員会でサレプール氏と3名の航空専門家が証言する予定。航空専門家は、「ボーイングの安全文化が不適切で混乱している」と批判した2024年2月の報告書にも関与しているとのこと。この報告者ではボーイングに対して50の提言が示され、半年以内にこの問題に取り組むための計画を見直し、策定すべきだと論じられています。

なお、ボーイングは2019年にも安全性を軽視する姿勢が問題となり、この時に内部告発を行った元エンジニアは不審死したことが2024年3月に報じられています。

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