西島秀俊&水上恒司、記者会見に登場!“東洋の時計王”の壮年期と青年期を演じ分ける<黄金の刻>

写真拡大 (全6枚)

3月30日(土)に放送されるテレビ朝日ドラマプレミアム『黄金の刻〜服部金太郎物語〜』。作家・楡周平による小説『黄金の刻 小説 服部金太郎』(集英社文庫刊)がドラマ化される。

日本初の腕時計、世界初のクオーツウォッチを発売したことで知られる「セイコーグループ」の創業者である服部金太郎の波乱の人生を重厚に描き出す今作。

洋品雑貨問屋の丁稚は、いかにして“東洋の時計王”になったのか――。稀代の起業家・服部金太郎の一代記をスペシャルドラマとして放送する。

主人公・服部金太郎に扮するのは西島秀俊。また、若かりし日の金太郎役には水上恒司。金太郎の壮年期と青年期をみごとに演じ分けた西島と水上が、記者会見に登場した。

本作の見どころを聞かれた西島は、

「服部金太郎さんが、丁稚奉公から始まって、東洋の時計王となるまでの一代記なのですが、本当に豪華な共演者の皆さんが情熱をこめて演じてくださっています。実際に、金太郎さんの周りには、ライバルだった人も味方になって、みんなで幾多の困難を乗り越えて、日本の技術を上げていきました。そういった人と人とのつながりや、それぞれがそれぞれの場所でベストを尽くしている姿を描いた群像劇こそ、一番の見どころです」

とアピール。そして水上は、

「《時》というスケールの大きいものに着眼点を置いた、ある1人の男の人生を描いていることが僕としては一番好きですし、青年期の金太郎さんを演じさせていただくうえで、いかに金太郎さんが《時》に魅了されていったのかという過程が大事だと思っていました」

と襟を正す。

また、実在の人物を演じる難しさを問われると西島は、「原作本の中では、人物像を膨らませて、とても面白く描いていらっしゃるので、その原作を自分の役作りの参考にさせていただいて、生きている1人の人間としてどのように演じられるか、他の登場人物たちとの関係性をどのように築いていくのかというのを、監督やキャストの方々と丁寧に語りながら役を作っていきました」と回答。

一方の水上は、「まだまだ至らない部分もありますので、実在した方に寄せていく作業は難しかったです」と謙遜しつつ、「金太郎さんが《時》に魅了されていく様子が、いかにキラキラしていたのかというところを大事に作っていきました」と話す。

すると西島から、「青年期の純粋で真っすぐなエネルギーみたいなものは水上君が演じているからこそ」と太鼓判。

今回2人は『劇場版 奥様は、取り扱い注意』(2021年)以来の共演となったが、服部金太郎という同一人物の壮年期・青年期を演じ分けたため共演シーンはごくわずか。

これには水上も思うところがあったようで、「西島さんのお芝居を現場で見れていないので、いつか、がっつり共演して、現場での姿勢などを学ばせていただきたいです」と懇願。「敵対する役とかでも…」と話すが、西島が「いや、味方でいいでしょ(笑)。それじゃ、また、あまり会えないよ(笑)」とツッコみ、息の合ったところを見せていた。

そして話題は、豪華共演者のことに。

金太郎を献身的に支え続けた妻・まん役に松嶋菜々子、時計店を営む卓越した腕を持つ時計職人で後に金太郎の盟友になる男・𠮷川鶴彦役には山本耕史、金太郎とは丁稚奉公時代からの親友で金太郎を兄と慕うも考え方の違いから後に衝突してしまう岩倉善路を演じる濱田岳。

さらに、金太郎の初恋の相手・辻浪子の少女時代を吉川愛、浪子の父親で金太郎が丁稚奉公する洋服問屋「辻屋」の店主・辻粂吉役に船越英一郎(特別出演)、フランス商館「ブルウル商会」の番頭で金太郎に輸入時計の販売を託すキーマン・吉邨英恭に扮する郄嶋政伸。

そして壮年期の辻浪子を落ち着いた大人の魅力を漂わせて体現する高島礼子と、ベテランから若手有望株まで多彩な顔触れ。

西島は、「凄い俳優の方々が集まっていらっしゃるので、皆さん、自分の演技のことよりも、このシーンにとって自分がどうやれば、より素晴らしいものにできるかということに、意識が向いていました。エキストラの方たちも、その場で考えてくれて、まさに、みんなで作っていった感じでした。大変なこともありましたが、とても演じがいのある現場でした」と、濃密で貴重な時間を共にしたことを明かす。

特に、『レッドクロス〜女たちの赤紙〜』(2015年/TBS系)以来の共演となった松嶋に関しては、「声が素晴らしいんです、ずっと聞いていたいくらい。それに泣きの演技がすごく響く、特別な女優さんです。松嶋さんは自身の持つ度量の広さ、役への理解も含めて、素晴らしかった」と賛辞を贈っていた。

さらに話題は、歌手・MISIAがこのドラマのために書きおろした主題歌『ゆびきりげんまん』について。

MISIA本人がこの曲に込めた想いを「未来への強い約束の気持ち。未来へ歩き出す人たちの応援歌」と語るが、水上は「『黄金の刻』にふさわしい曲」と称賛。西島も「何度も挫折し、それがプラスに変わっていく金太郎さんの人生と歌詞が、とてもフィットしています」と分析する。

現在、あたりまえとなっている“正確な時間”の重要性に気づき、時計商を目指す服部金太郎の試練の物語。

「観てくださった方が、明日から頑張ろう、未来に向かって邁進していこうと、前向きな気持ちになってくださればこれほど幸せなことはありません」(西島)

「《時》というスケールの大きいものに金太郎さんが魅了されていったことは、とても素敵なことだと思います。人生をかけて何かを追い求めていくということを、観てくださる方も見つかるきっかけになればうれしいです」(水上)

と2人が意気込む本作に注目だ。