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現DCユニバース最後の作品のうちのひとつ、『ザ・フラッシュ』(2023)には、エンドロールの後におまけシーンが存在する。完結を目前に控えていたDCユニバースの今後につながるような描写がなされていたが、最終作『アクアマン/失われた王国』も終了した今、改めて同シーンについて振り返りたい。

この記事には、『ザ・フラッシュ』(2023)のネタバレが含まれています。

この記事には、『ザ・フラッシュ』(2023)のネタバレが含まれています。

(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (c) & TM DC 『ザ・フラッシュ』ラスト、アクアマンが登場するおまけシーンは何だったのか?

DCユニバース映画『ザ・フラッシュ』(2023)のラストで、主人公バリー・アレン(エズラ・ミラー)はタイムスリップした先での戦いを終えると、母が死ぬ運命を変えるために施した歴史修正を自ら取り消す。しかしその際にバリーは、父の免罪を解くために「スーパーマーケットのトマト缶の陳列位置を変更する」という些細な別の修正を行っていた。その結果、父ヘンリー・アレン(ロン・リビングストン)にかけられた容疑が晴れて解けるという結末だった。

しかし、ここでまたもバリーが過去を書き換えてしまったことで、どうやら彼は別のユニバースに迷い込んでしまった模様。再会したブルース・ウェインが、ベン・アフレック版でなくジョージ・クルーニー版に変わっていたのだ。

そしてエンドロール後のおまけシーン(ポスト・クレジット・シーン)では、この別世界に残されたバリーのその後が描かれる。夜の飲み屋からバリーに連れられて登場したのは、アクアマンことアーサー・カリー、ジェイソン・モモアだ。

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超人的な代謝のために酒に酔うことができないバリーだが、大酒飲みのアーサーはヘベレケになっている。バリーは、かつてジャスティス・リーグとして共に戦ったこの男に助けを求めているのだが、酒に酔ったアーサーは全く事情を理解しておらず、話にならない。そもそも別バースなのだから、このアーサーがアクアマンであるかどうかも不明だ。

千鳥足のアーサーは水たまりに倒れ込むと、水に浸りながら「ここは俺の部屋だ」と言い、さらにアトランティスの紋章が刻まれた指輪をバリーに差し出す。この男はどうやらアクアマンであるらしいことが示唆されて、『ザ・フラッシュ』は終わるのだが……。

公開当時、このシーンはDCユニバース続編の『アクアマン/失われた王国』につながるものと、多くのファンが予想したことだろう。しかしながら『失われた王国』は、前作『アクアマン』(2018)にのみ連なる独立した物語となっており、『ザ・フラッシュ』おまけシーンについての説明はおろか、ジャスティス・リーグをはじめとする他のDCユニバース作品への言及も一切登場しないままに完結した。ちなみに同シーンは、DCユニバース作品として本作の次に米公開された映画『ブルービートル』にも影響していない。

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実は当初、『ザ・フラッシュ』と『アクアマン/失われた王国』はもっと相互的に接続される内容になる予定だった。マイケル・キートン版バットマンが、マーベル映画でいうところのニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)のように複数作品に登場し、それぞれを繋ぐ役割を担うことになっていたのだ。

この両作は公開日の延期を繰り返していた頃、一時的に公開順序が逆転していたこともあった。そのことによって、その過程でさまざまな調整が施されている。キートン版バットマンの構想も、そうした中に立ち消えている。

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『アクアマン/失われた王国』が完全に独立した物語に仕上げられたことについて、どのような判断がなされていたのかはわからない。そして結果として、『ザ・フラッシュ』にアーサー・カリーが登場するおまけシーンも、なぜ加えられたのか、さらに言えば、なぜ残しておいたのかも、今となっては謎である。ちなみにこのおまけシーンは、公開前の関係者向け試写の時点では本編に組み込まれていなかったものだ。

『ザ・フラッシュ』公開時期の頃には、すでにジェームズ・ガンによるDCスタジオが誕生していた。もしかしたらこのおまけシーンが新DCユニバースに接続されるのではと期待を持ちたくもなるが、一方で現ジャスティス・リーグの面々は新ユニバースにとの意向も伝えられている。

『ザ・フラッシュ』のDCユニバースは事実上打ち切りの形で終了となったので、今のところ、このおまけシーンはファンサービスも兼ねた“俺たちの戦いはこれからだ”エンドのようなもの、と言わざるを得ないだろう。あの酔いどれアーサーはアクアマンであり、バリーはあの世界で協力者を集め、元のユニバースに戻ろうと奮闘したか、もしくは留まってヒーロー活動をしたと想像するほかない。

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