プロ野球のキャンプは、毎年「2月1日」から始まる。全球団が一斉スタートでは実はないのだが、プロ野球ファンにとって2月1日は特別な日である。オフシーズンが明け、キャンプが始まると、連日ニュースに事欠かない。しかも、シーズン開幕前なので、勝ち負けが関係なく「前向き」になれる時期でもある。

オフシーズンのキャンプは、実はサッカーのJリーグでも行われている。しかも、プロ野球と同様、「沖縄」での開催が多い。だが、一般ニュースでプロ野球は大々的に報道されることはあっても、Jリーグを目にする機会は少ない。

そこで今回初めて、Jリーグのキャンプを訪ねてみた。

場所は、沖縄本島の南風原(はえばる)町。那覇空港から車で約20〜30分ほど。Jリーグ・名古屋グランパスのキャンプ地は、南風原町にある「黄金森公園」である。

駐車場は無料。この日は特に練習試合などはなかったが、駐車場はほぼ埋まっていた。公園はキャンプ中であっても、地元の人々ももちろん利用する。関係者駐車場は別にある。

キャンプは無料で見学できる。しかしその観客数が数えると、30人いたかどうか。「J1」しかもJリーグ開幕時からあるチームで、これだけ。ユニフォームを着る熱心なファンか、散歩ついでに立ち寄ったであろう地元の人々(年齢層は高い)しかいないという感じだった。

ちなみに、キャンプは戦術の情報漏れ防止などを理由に「撮影禁止」で、SNSなどでの発信もダメ。ただ、昨今、選手のプレーを撮影するアマチュアカメラマンはとても多く、それを楽しみに来場する人々が、プロ野球ほどではないがサッカーでも見かける。せめて望遠機能がないスマートフォンでの撮影なら良い気もするが、動画やら何やら規制できないとあとで面倒になるからだろうか。Jリーグのキャンプには「望遠鏡が必須」である。

単純にキャンプを観る分には何の問題もなく、むしろ普段の試合では見られない光景もあって、とても楽しかった。キャンプ終了後この日はファンサービスがある日だったので、熱心なファンはサインペンを手に出待ちしていた。この人数なので、プロ野球よりもファンサービスしてもらえる可能性は高そうだ。

なお、プロ野球のキャンプ場合、観客数は平日こそ数百人〜数千人、休日かつ紅白戦などがあれば、1万人以上という球団もザラである。キャンプ記念グッズも発売され、キャンプ地にショップもある。

もちろん単純比較ができないのは百も承知だが、SNS全盛時代の昨今、個人の発信が制限されると、目に触れて知る機会は限られる。その点でも、野球とサッカーの「差」を感じてしまった。

沖縄の玄関口である那覇空港には、サッカーと野球、両方のガイドブックが、観光案内に置かれている。いずれも無料配布で誰でももらえ、キャンプ地の情報やおすすめのご当地グルメなども載っている。WebからPDF入手可。機会あれば、1月、2月の沖縄でキャンプ見学もぜひ。

【公式】沖縄プロ野球キャンプ2024

https://www.okinawabaseball.jp/


(Written by AS)