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『メメント』(2000)や(2010)そして『TENET テネット』(2020)。映画監督クリストファー・ノーランは、ときに複雑かつ難解なストーリーテリングで独自の映画世界を構築してきた。ときには観客の混乱を呼び、解釈が分かれることもあったが、ノーランは決してそれらに回答を出すことはしない。

テレビ番組「」にて、ノーランは「ファンの見解にはコメントしないことにしているんです」と言い切った。長年議論されている『インセプション』のラストシーンで回り続けるコマについても、「自分の考えはある」と述べつつ、「それは正当かつ実りのある曖昧さをつくり出すため。大切なのは“曖昧さ”です」と語ったのである。

ノーランが振り返るのは、『メメント』のワールドプレミア上映が行われたヴェネツィア国際映画祭でのエピソードだ。

「上映後の記者会見で、エンディングの解釈を聞かれ、私は“重要なのは曖昧であること、わからないということです。だけど、私が思うのはこういうことで……”と話しました。すると、弟のジョナサンがあとから私を呼び出して、“二度とあんなことはしちゃいけない”と言ったんです。私は曖昧であることが大事だと言いましたが、彼は“そんなことは誰も聞いていない。彼らは答えを求めているんだ”と。」

この出来事を、ノーランは「幸運にもソーシャルメディアが普及する前の過ちだった」という。「曖昧さを求めることとは、すなわち可能性の広がりを求めること。その時は黙っていなければいけません」

クリストファー・ノーラン最新作は2024年3月29日公開。

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