オートストアがスマート物流倉庫システムの新製品「FusionPort」を初公開 PUMAの導入事例と効果を具体的な数値で紹介

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AutoStore(日本法人:オートストア システム株式会社)は、業務効率、オペレーターの生産性、人間工学にフォーカスした2つの新しいワークステーション「FusionPort」と「FusionPort Staging」を発表し、1月24日から26日に開催された「第8回ロボデックス 〜ロボット開発・活用展〜」に展示、デモとプレゼンテーションを公開した。また、プレゼンテーションでは、導入事例としてPUMA社の物流倉庫での具体的な効果を数字で紹介しました。

AutoStoreは、ノルウェーのロボティクステクノロジー企業で、大規模な物流倉庫の業務効率化やオペレーターの生産性の向上を支援するソリューションを展開している。ロボスタでも、ソフトバンクロボティクスや佐川ホールディングス等が採用していることを紹介してきた。

同社は今回、人間工学にフォーカスした2つの新しいワークステーション「FusionPort」と「FusionPort Staging」を発表。このワークステーションは、様々なオートメーションテクノロジーソリューションに対応する高度な統合機能を備えており、4月12日より全世界で販売開始する予定だ。


FusionPortの外観イメージ
FusionPort Stagingのイメージ。4つの間口があり、中央の2つの間口は商品のとりだし、両側の2つの間口は荷出し/仕分け用の箱
●ロボデックスでPUMAの事例を紹介、「FusionPort」を初披露
AutoStoreのプレゼンテーションでは、PUMAのAutoStore導入事例も紹介された。従来のシステムではデリバリーに2週間を要していたが、AutoStoreを導入後はピーク時でも同日出荷が可能になったという。

また、現在のPUMAの物流倉庫の取扱数量はオートストア専用のビンの数が550万個も出荷アイテム個数は月間100万点で、AutoStoreのピッキングの正確性は99%、同日に出荷できるキャパシティは10万件という数値が発表された。

●「FusionPort」の特徴
「FusionPort」は、オペレーターのウェルビーイングを考慮して設計され、2つの傾斜したワークステーションのビン開口部と視覚的なピッキングエイドを組合わせることで、オペレーターのパフォーマンスを最大化させるという。これらの機能は、オペレーターが手作業で商品を移動する際の繰り返し動作を軽減するために開発された。また、ピック・トゥ・ライトシステムにより視覚的に商品を識別しやすいため、オペレーターはピッキングを更に効率的に行うことができる。また、このステーションには、ポートのピッキング準備が整った際だけビン(商品カゴ)にアクセスできるようにする安全ハッチが追加されている。
倉庫でピッキングされた後の商品はステージングエリアに保管される。AutoStoreはステージングスペースの制約を、これまでの知見から深く理解した上で、「FusionPort Staging」を開発したという。このワークステーションは、ピッキングとステージングを1つのポートに統合することで、企業は業務を効率化するとしている。
また、ステージングに必要なスペースを減らすことで床面積コストも削減できる。FusionPortと同様に、このワークステーションも視覚的なピッキングエイドと安全ハッチを備えている。「FusionPort Staging」は、組み立て式のため、設置が簡単で、連続してピッキングした商品を埃のない状態で保管することができる。
どちらのワークステーションもコンパクトな外装設計で、追加のオートメーションテクノロジーと統合する際の柔軟性の向上を実現。「FusionPort Staging」は、既存倉庫の床面積に対して最大4倍の保管容量を提供するという。
AutoStoreの最高製品責任者であるCarlos Fernandez氏は、下記のようには述べている。

Carlos Fernandez氏
「昨今の企業は、進化する顧客のニーズに応えるために、ピッキングプロセスを最適化する必要がありますが、そのためには、倉庫で従業員が安全に、ならびに高い生産的で作業するためのツールを装備する必要があります。AutoStoreは、 FusionPortとFusionPort Stagingを提供することで、当社が誇る世界レベルのテクノロジーを活用しながら、企業が従業員に最高のサービスを提供することができるようになるのです」