久住小春×佐藤大樹が明かすキャラの魅力とこだわりの役作り『瓜を破る』インタビュー
2024年1月23日(火)に放送・配信がスタートするTBSドラマストリーム枠『瓜を破る〜一線を越えた、その先には』(TBS 毎週火曜 深夜0時58分〜1時28分 ※初回は深夜1時13分〜/一部地域を除く)でW主演を務める久住小春さんとEXILE/FANTASTICSの佐藤大樹さんにインタビュー。演じるに当たって心掛けたことや、見どころを聞きました。
本作は、板倉梓による累計発行部数400万部突破のコミック「瓜を破る」をドラマ化。登場人物たちが30代処女、事実婚、ルッキズム、ノンセクシャルなど、さまざまな悩みに迷いもがきながらも自分なりの答えを模索していく姿を描く。
◆本作の出演が決まった時の心境を教えてください。
久住:民放の連続ドラマで主演を務めることも、こんなにせりふ量の多い役も初めてだったので、長く活動させていただいていますが、初心に戻った気持ちでプレッシャーを感じていました。ですが、このチャンスを一生懸命全力で駆け抜けたいなと思って、気合たっぷりで頑張りました。
佐藤:お話を頂いた時に、その日のうちに原作を読むようにしているのですが、ストーリーが面白かったので、絶対に演じてみたいと思ったんです。最近、大人な役が多かったのですが、鍵谷君はうぶで人見知りなので、そういうキャラクターのギャップも、今回はビジュアルから見せられたらいいなと、撮影に臨むまですごく楽しみでした。
◆演じられるキャラクターについて、大事にしたことはありますか? またキャラクターの魅力はどこでしょうか?
久住:まい子は、見た目はすごくキラキラしていて、OLさんという雰囲気なのですが、実は少し自分に自信がないようなキャラクター。私は結構人の目を見てしゃべるほうなので、あまり人と目を合わせないように意識しています。キャラクターの魅力としては、すごく真っすぐで、お仕事もすごく頑張っている中で、自分のコンプレックスを乗り越えようともがいていて、一生懸命なところだと思います。
佐藤:鍵谷君はあるトラウマが理由で自分に自信をなくしてしまって、そのトラウマから人とのコミュニケーションを取ることが苦手になってしまった青年。とてもうぶでかわいらしくて、原作ファンの方はきっと鍵谷君の成長を見届けたいなと思うような、すごく魅力的なキャラクターです。演じる上で気をつけたことは、普段の僕と真逆な性格なので、現場であまりしゃべらないようにしました。クランクインした時に久住さんたちに誤解されたくないので、「今回はこういう感じですが、人見知りとかではなくて。普段はもっと盛り上げるタイプなのですが、この現場だけはすみません」と了承を得て(笑)。なるべく鍵谷君でいたほうが、画に映った時もそう見えるのではないかなと役作りしています。
◆佐藤さんの現場での様子はいかがですか?
久住:佐藤さんが出演されている作品を何本か見させていただいたので、すごく明るいイメージがあったんです。でも、鍵谷君は真逆で。私はこの作品で初めて佐藤さんにお会いしたので、裏では静かな人なのかと思ってしまいました。
◆OLのまい子とOA機器の修理をする鍵谷を演じるに当たって、何か勉強されたことなどありますか?
久住:周りに会社勤めのお友達もいるので、自分が感じたイメージを持ちつつ演じていました。ですが、実際にオフィスで自分の席があって、そこで演じていると、本当にOLになった気分になれるというか。環境がそうさせてくれました。
佐藤:これまでの作品は自分に近い職業の役や、その職業をしている家族や友人が周りにいたのでリサーチできていたのですが、今回はコピー機の修理ということで、事前のリサーチができませんでした。現場で実際に修理をしている方から習える時間があったので、気をつけなくてはいけない手順や見せ方などいろいろと話を聞きました。あとは、鍵谷君はひざを片方つくのか、両方つくのかなど、原作と照らし合わせて鍵谷君に仕草などを寄せることを意識しています。
◆原作がある中で、特に演じる上で意識したポイントや、何か研究したことはありますか?
久住:原作はしっかり読ませてもらいましたが、私がまい子を演じるので、私にしかできないまい子にできたらいいなと思いました。なので、「ここの表情はこうしよう」といったところはあまり意識せず、まい子の気持ちに成り切って、自分が思ったまい子を演じて、監督から「そこはちょっと違う部分かな」など話し合って演じています。
佐藤:ビジュアルから言うと、鍵谷君を演じるに当たって絶対に地毛で表現したいと思ったんです。なので、長かった前髪をばっさり切り、黒髪にしてなるべく近づけました。あとは、原作の中ですごく好きなシーンがあって、それが台本に反映されるかなと毎回ドキドキしていました。現場で原作を見ながら常に「このシーンは今、この原作のシーンだから」というのは意識していました。
◆本作出演の一報が出た際、周りの反響はいかがでしたか?
佐藤:すごくうれしかったのが、自分のマネージャーさんが原作の大ファンで、「読んでいます!」と驚いてくれて。ほかにも社員さんたちで読んでいる方が多くて、そういう近しい周りの人からの反響が大きかったです。
自分を知ってくださっている方はいつもと違うビジュアルですし、そのギャップが楽しみということや「今までにない役どころで楽しみ」と言ってくださっています。原作者の方のポストを見ていると、原作ファンの方もすごく喜んでくれている印象を受けたので良かったなと思います。
久住:自分のInstagramのストーリーで「撮影しています!」と載せたりしているのですが、情報解禁前だったのでどんなお仕事をしているか想像していたと思うのですが、たぶん皆さんの想像を超えていたのかびっくりされている方もいて「え!出るの」みたいな反応の方もいらっしゃいましたし、「絶対見るね!」と喜んでくださる方もいて。昔からのファンの方からはコメントやDMを頂きました。実際に情報解禁されて、1月23日(火)から放送されると思うと、ドキドキしています。
◆あらためて共演されての感想を教えてください。またお互いの演技はいかがですか?
久住:役に真っすぐですし、すごく真面目な方で、私も見習わないといけないなと刺激を頂きました。演技については私は自分のことに精いっぱいで…。ですが、私にとって初めてのシーンがたくさんあって、そこで佐藤さんが数多くのドラマや映画に出演されているので、引っ張ってくださっています。
佐藤:印象としては、とにかく明るいし現場にいらっしゃるだけで、パーっとみんながやる気に満ちあふれるようなエネルギーを持っている方だなと思いました。あと年下ながらに、すごく根性がある方だなと思いました。これって表の世界で多岐にわたって活動する上ではすごく必要なものなんだなと感じました。
お芝居としては、まい子さんって一見どこにでもいるような、すごく共感できるような性格ではあるんですが、実は人には言えない悩みなどを抱えているが故の、ちょっとした瞬間の目の動きとか、ちょっとした闇の部分というのを細かく意識しながら演じているんだろうなと僕は近くで見ていて思いました。すごく目がまい子さんに似ていてピッタリだなと。
久住:今は佐藤さんですが、私は鍵谷君に見えちゃいますね。
◆撮影時の裏話を教えてください。
久住:まい子の元カレとのシーンが1話に出てきます。31歳ですが、学生時代の回想シーンで学生服を着て演じていることが印象に残っています。
佐藤:原作のまい子と鍵谷君のシーンがそのまま反映されていることがすごくうれしいです。ただ、2人の距離が一番近くなるシーンを撮った後に、まい子と鍵谷君の初デートのシーンの撮影があったのですが、そこで監督から「カット、カット。ちょっと“瓜、破っちゃっている”んだよね」と言われたことがあって(笑)。それがめちゃくちゃ面白くて、そういう距離感を忘れるぐらい、時系列の行き来が結構大変です。
久住:確かに、そうですね。
◆酒井若菜さんたち共演者の方々とは現場でお話しされていますか?
久住:まい子の上司役で酒井若菜さんが出演されるのですが、女優としてすごく大先輩なので、どうやって演じているのか、どうやって役作りしているか、せりふはどうやって覚えているかなど、すごくいろんなことを質問させていただきました。気さくにたくさんのことを教えてくださっています。
佐藤:僕はこの撮影中に、久住さん以外の方とのシーンがほぼなくて…。すれ違いでごあいさつしたり、回想シーンでご一緒したりするくらいなのでちょっと寂しいです。
◆本作の魅力はどこだと感じられていますか?
久住:皆さん明るく見せていても、コンプレックスがあったり、抱えている悩みがあると思うので、今回出てくる登場人物の誰かに共感できると思います。皆さんのイメージと自分が抱えている悩み、意外に自分自身もギャップがあるなと感じているので、その悩みを乗り越えたりする部分に共感して、たくさんの方が見ているのかなと感じています。
佐藤:きっとまい子さんに共感する方が多いんだろうなと思います。多様性の時代の中で、いろんな悩みを抱えている登場人物に、「こういう悩みがあるんだ」「私もこういう経験がある」という共感が大きいのかなと。あとはラブストーリーだけれども、ラブストーリーではないみたいな、絶妙なまい子と鍵谷君の2人の距離感や、それぞれがいろいろな初めてを覚えた時のあのリアルに「分かるな」と感じることも共感できるポイントかなと。2人の成長や、距離がどこまで縮まるのかを見届けて原作と同様楽しみにしてもらえたらうれしいです。
第1話 あらすじ
どこにでもいるごく普通の会社員・香坂まい子(久住小春)は生まれてから32年、未だ性体験がないことに悩んでいた。そんな中、同僚の染井菜々(土村芳)、原幸成(泉澤祐希)とランチ中に、上司の味園美由紀(酒井若菜)が「高齢処女」ではないかという噂を聞き、まい子は自分事のように感じてしまう。だが、そんな美由紀にも彼氏がいると知ったまい子は、自分もセックスした側の人間になりたいと切に思うのだった。
ある日のこと、仕事終わりに高校の同窓会を控えていたまい子は、子供が熱を出してしまった染井の代わりに残りの仕事を引き受けることに。それを見ていた派遣社員の小平蓮(石川瑠華)から、まい子は気の毒そうな視線を向けられてしまう。あと少しで仕事が片付くかと思った矢先、コピー機にトラブルが……。すぐに駆けつけてくれたメンテナンス会社の鍵谷千里(佐藤大樹)のおかげで無事仕事を終えることができたまい子は、鍵谷に感謝を伝える。
同窓会にやってきたまい子は、元彼・佐伯(松本享恭)と再会。高校時代、佐伯と一度はそういう雰囲気になりながらも至らなかった過去を持つまい子は、思い切って佐伯に“あるお願い”を切り出すが……。
PROFILE
久住小春
●くすみ・こはる…1992年7月15日生まれ。新潟県出身。A型。主な出演作は『ケイジとケンジ、時々ハンジ。』、映画「GONZA」など。
佐藤大樹
●さとう・たいき…1995年1月25日生まれ。埼玉県出身。A型。EXILE、FANTASTICSのパフォーマー。主な出演作は『liar』『理想ノカレシ』『Sister』など。
番組情報
ドラマストリーム『瓜を破る〜一線を越えた、その先には』
TBSほか
2024年1月23日(火)スタート ※初回は深夜1時13分〜/一部地域を除く
毎週火曜 深夜0時58分〜1時28分
<配信>
地上波放送後、「TVer」「TBS FREE」にて無料1週間見逃し配信
<キャスト>
久住小春、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)
土村芳、石川瑠華、泉澤祐希
酒井若菜
<スタッフ>
製作:『瓜を破る〜一線を越えた、その先には』製作委員会
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
原作:板倉梓「瓜を破る」(板倉梓/芳文社刊)
脚本:おかざきさとこ、郄橋幹子
プロデューサー:田中美幸、岩上貴則
配信プロデューサー:今井夏木、齊藤彩奈、杉山香織
監督:坂下雄一郎、枝優花
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/uriwowaru_tbs/
公式X(旧Twitter):@drama_streamtbs
公式Instagram:@tbs_drama_stream
公式TikTok:@drama_stream_tbs
©『瓜を破る〜一線を越えた、その先には』製作委員会