指紋は一人ひとりによって異なる模様を持ち、個人を識別することができるもの。そのため、生体認証に使われたり、事件現場に残された指紋から犯人を絞り込んだりします。そんな指紋にまつわる常識が、もしかしたら覆る可能性が出てきました。

↑そんなことはあり得ない?

 

指紋は人によって違うもの。同一人物であっても、例えば、親指と人差し指では異なる指紋があり、それらには関連性がないと考えられています。例えば、ある人物が事件現場に親指の指紋を残して、別の現場に人差し指の指紋を残したとしても、その2つを結びつけて同一人物であると確認する方法はないそうです。

 

そんな「指紋は一人ひとり、それぞれの指で異なる」という従来の考え方が、これから打ち破られるかもしれません。

 

この発見をしたのは、目覚ましい発展を遂げているAIでした。

 

米・コロンビア大学工学部のある学生は、ペアにした約6万個の指紋のデータを使い、AIが同一人物の指紋について関連性を見つけられるかどうかを確認しようとしました。するとAIは、まったく異なって見える2つの指紋であっても、同一人物の異なる指の指紋から類似したパターンを発見したのです。

 

この新説が本当であれば法医学や警察の鑑識にとって飛躍的な進歩となりますが、認められるにはまだまだ時間がかかる模様。ある有名な法医学雑誌はこの研究について否定し、「たとえ同一人物の指紋であっても、異なる指の指紋から類似性を挙げることは不可能であると結論づけた」と述べています。

 

AIによって出てきた、指紋にまつわる発見。これが正しいかどうかを判断するには、さらなる研究が必要で、結論づけるのは早急かもしれません。それでもこの一件は、進歩し続けるAIが、私たちのこれまでの常識を次々と塗り替えていく可能性を示した出来事といえるでしょう。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Our fingerprints may NOT be unique, study finds - in breakthrough that could help solve thousands of cold cases. January 11 2024