コーセー傘下のタルトによるTikTok Shop 戦略:小売で3桁のハロー効果を発揮
化粧品ブランドのタルト(Tarte)はソーシャルファーストなブランドであり続けている。それゆえ、TikTok Shopを通じて販売する機会が訪れたとき、タルトは真っ先に飛びついた。アプリ初期からTikTokに注力しているタルトの業績
タルトは、アプリがまだMusicl.lyだった頃に参入して以来、何年もTikTok上で活動している。タルトのTikTokには100万人を超えるフォロワーがおり、製品見本や新製品発表、オフィスやタルトチームの舞台裏などを頻繁に投稿している。タルトは2014年から日本のコングロマリット、コーセー(Kosé)の傘下にある。コーセーが11月中旬に発表した9カ月間の決算報告によると、コーセーの化粧品の純売上高は1744億円で、前年比13.7%増となった。この報告によると、タルトの売上高は主力製品の世界的な販売好調により大幅に増加したという。
ライブストリームショッピングが中心のTikTok Shop戦略
タルトのTikTok Shop戦略は主にライブストリームショッピングに依存しており、毎週数セッションが開催されている。タルトにはQVCでのライブショッピングの経験がある。タルトコスメティクスの創業者兼CEO、モーリーン・ケリー氏によると、TikTok Shopでのプレゼンスの確立には一切資金を投資していないという。キテイン氏は、一般的な平均視聴者数は数百人だと述べている。
タルトは11月29日、オフィスの社員を起用した12時間のライブストリームを主催した。その間の平均視聴者数は2.5万人で、キテイン氏によると「数百点」が購入されたという。その売上の購入者の70%はTikTokでタルトをフォローしていない人だった。コンテンツは、プレゼントやQ&Aセッション、メイクアップチュートリアル、ロサンゼルスでのブランドローンチイベントについてのセグメントで構成されており、このセグメントでは視聴者にインフルエンサーイベントの一部を見せることができた。ケリー氏は、ライブストリームの一部がタルトのオンライン戦略の調整につながったと語っている。たとえば、ライブストリーム視聴者からのリクエストに基づいて製品表示ページにさらに多くの情報が追加された。
「視聴者数を増やすには、人々に参加を奨励することと、その時点で参加している人々としっかり関与することを組み合わせるのが重要だ」とキテイン氏。「人々は価値を好み、購入するものに価値を見出すが、それは必ずしも大幅な割引や安価ということではない。『なぜこれが自分にとって有意義なのか? なぜこれが欲しいのか?』という問いに答えることが大事だ。したがって、その価値を分析して、それが重要な理由と楽しむ方法を提示しなければならない」。
承認が不要なオープンアフィリエイト戦略を選択
コンテンツクリエイターの観点において、タルトはTikTok Shopのオープンアフィリエイト戦略を選択した。つまり、誰でも製品にリンクし、非公開のアフィリエイト手数料から収益を得られるということである。別のオプションはゲーテッドであり、その場合、クリエイターが手数料を得るには承認を受けなければならない。たとえば、ジ・オーディナリー(The Ordinary)やエスティ ローダー(Estée Lauder)はゲーテッド戦略を採用している。ケリー氏は、TikTok Shopはすでに重要な販売チャネルであることが証明されており、タルトはTikTokの販売ベンチマークを約50%上回っていると述べている。彼女によると、最初のベンチマークは7桁後半だという。
TikTok Shopと小売の関係
タルトは、2023年半ば、ベータプログラム中にTikTok Shopに参加して以来、TikTok Shopで紹介される商品が3桁増加し、卸売小売業においてハロー効果を目にしている。これらの商品には、マラクージャ・ジューシーリップ(Maracuja Juicy Lip)フランチャイズの製品のほか、タルテット・チュービングマスカラ(Tartette Tubing Mascara)やホリデーセットも含まれている。タルトは、主力製品を通じて価値を実証して新規顧客に同ブランドを紹介することを目指して、TikTok Shop限定の製品セットを作成している。
ケリー氏は次のように語っている。「ソーシャルメディアは、かつては認知度を高めるためだけのものだった。だが、現在ではソーシャルコマースのイノベーションによりファネルが崩壊しつつあり、同じプラットフォーム上で商品を見つけて1分以内に購入できるようになっている。しかし、積極的なコミュニティや強力なソーシャル戦略、強力なインフルエンサープログラムがなければ、(ソーシャル販売の)ツール類は当社の収益には何の役にも立たないだろう」。
タルトのチームは、ライブストリームを通じてファンデーションやコンシーラーなどのコンプレクション製品の販売方法を深く理解したいと考えている。キタイン氏は、これらの製品はほかの製品に比べて再購入のロイヤルティが高いが、デジタル環境では選択が難しい可能性があると述べる。したがって、タルトの関連コンテンツはさまざまなコンプレクション製品についての理解、色の選択や製品の使用に重点を置いている。
「TikTok Shopは今日のインフォマーシャルのようなものだ」とキテイン氏。「20年前、ブランドらはインフォマーシャルに投資していた。それがより安価な広告方法だったからだ。テレビですべての教育を提供して、インフォマーシャルから直接販売できた。それと同じように、(TikTok Shopですぐ購入されなかったとしても)取り上げた製品は、店で顧客に気づいてもらえ、購入してもらうことができる」。
[原文:Tarte’s TikTok Shop strategy shows a triple-digit halo effect in retail]
EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)
