音楽P武部聡志が語る、羽生結弦“東京ドーム公演”の裏側「なんとか彼が滑りやすいように…」
今さら人に聞けないような“音楽の基本”から、制作の裏側や専門テクニックなど“マニアックな知識”までを掘り下げていく『関ジャム 完全燃SHOW』。
11月26日(日)の同番組では、松任谷由実が絶大な信頼を寄せる音楽家・武部聡志の特集が放送。武部が音楽監督を担当した羽生結弦の単独東京ドーム公演の裏側を明かした。
2023年2月、羽生がスケーター史上初の単独東京ドーム公演を開催。
会場の中央には特設のアイスリンクが設置され、会場には3万5000人、海外でのライブビューイングや同時配信も含め、合計10万人ものファンを魅了した。
およそ2時間半の講演で、羽生は13曲ものプログラムを披露。演出はMIKIKOが担当し、音楽は東京フィルハーモニー交響楽団と武部率いるスペシャルバンドが演奏。その音楽監督を武部が務めた。
武部は「大きいプロジェクトでしたし、音楽的にもさまざまなジャンルがあって、どういうふうに音楽を作るかというプランを立てるところからはじまった」と回顧。羽生と何度も打ち合わせを重ねて作り上げていったと話す。
また、羽生について「音楽的な知識をもっている」と絶賛。羽生から「フォルテ2個譜面に書いてあるけど、フォルテ5つで弾いてくださいとか…」と専門的で細やかなオーダーがあったと語る。
その要望に応えるべく「命をかけて滑ってますからね。なんとか彼が滑りやすいように…」と全力を尽くしたそうで、「データじゃなくて生演奏で、人が感動できる音で届けたいという思いもあるから、そこのせめぎ合いがあった」と振り返った。
一方、『関ジャム』では羽生に貴重な独占インタビューを実施!
羽生と武部の出会いは5年前。この東京ドーム公演を通して感じた、武部の人柄について羽生はこう語っている。
「ライブのための音楽を作るのではなくて、フィギュアスケーター・羽生結弦に合う音楽を作りたいっていう熱量がものすごいと感じてます」(羽生)
あるアイスショーの際には、「ピアノのグリッサンド(滑るような奏法)のところで倒れたい」と伝えた羽生。すると、武部はタイミングや音色など試行錯誤を重ねてくれたそうで、「そういったことの積み重ねが、武部さんの細やかさや優しさに出ていた」と明かす。
一方の武部も「アーティストがフロントでのびのび歌うのと、羽生くんがのびのび滑るのは同じ」といい、「彼がすごく気持ちよく滑れたと言ってくれるのが、一番嬉しい」と感無量の様子だった。
このほか、10-FEET TAKUMAとともに担当した、大ヒット映画『THE FIRST SLAM DUNK』の音楽制作についてもトーク。
長年第一線で活躍する武部の音楽家としてのすごさ、注目だ!