サッカー界の「ドラ1」12人 高校、ユース、大学からいきなり欧州組になる注目選手も
日本サッカー界で、来季プロの舞台での活躍が期待される「ドラ1」級の選手たちを紹介。高校、ユース、大学からJリーグ入りが内定しているほか、海外クラブ行きの噂やすでに欧州へ移籍したプレーヤーもいる。
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菅沼一晃 photo by JUFA/Iijima Reiko
菅沼一晃(福岡大学→アビスパ福岡)
GK/2001年9月12日生まれ/186cm、83kg
多数のGKをプロに送り出している名門・福岡大学で早くからその能力を評価され、全日本大学選抜などにも選ばれてきた大学界屈指のGK。長い手足と186cmの長身を駆使したシュートストップを得意とし、絶対的なピンチの場面ではビッグセーブを連発する。飛び抜けた武器というより全体的なアベレージが高く、安定感に優れた守護神だ。
今年3月には、中村憲剛がコーチとして参加した選抜チームで、元日本代表の名手のシュートを受けるなど貴重な経験も。
小林将天 photo by Tsuchiya Masashi
小林将天(FC東京U−18→FC東京)
GK/2005年9月20日生まれ/189cm、88kg
189cmとサイズにも恵まれた、トータルバランスに優れる守護神。優雅さすら漂うような落ち着いた立ち姿にも大物感が窺える。夏以降は所属チームでポジションを失う時期もあったが、自身を見つめ直す機会とポジティブに捉え、さらなる成長への意欲も十分。
FC東京U−15むさし時代のチームメイトで、年代別代表でもともに戦う親友のGK中村圭佑(静岡学園高校)が東京ヴェルディに加入するため、『東京ダービー』で対戦することを楽しみにしているという。
中村圭佑 photo by Morita Masayoshi
中村圭佑(静岡学園高校→東京ヴェルディ)
GK/2005年4月27日生まれ/187cm、80kg
小学生の頃はフィールドプレイヤーだったが、FC東京U−15むさし加入と同時にGKへとコンバート。同期である小林将天(FC東京U−18)の牙城は崩せなかったが、「凄く負けず嫌いなので、アイツに絶対負けないという気持ちで3年間食らいついた」ことでGKとしての基礎を磨いた。
静岡学園高校入学後は高身長を生かしたハイボールの強さとビルドアップを武器に高2からレギュラーに定着。世代別代表にもコンスタントに名を連ねてきた。複数のJクラブから関心が寄せられるなか、中学時代のライバルクラブである東京ヴェルディへの加入を決断した守護神は、早期のプロデビューを狙う。
長澤シヴァタファリ photo by JUFA/Iijima Reiko
長澤シヴァタファリ(関東学院大学→サガン鳥栖)
DF/2001年12月12日生まれ/186cm、83kg
JFLの東京武蔵野シティFC(現:東京武蔵野ユナイテッドFC)の下部組織で育ち、関東2部の関東学院大学を経てプロ入りを果たすシンデレラボーイ。大学に入るまで世代別代表の招集歴はゼロ。しかし、ずば抜けたパワーとスピード、そして縦への推進力が認められサガン鳥栖に内定。すぐに特別指定選手としてプロデビューをはたした。
サイドバックとしては珍しい186cmの長身もさることながら、"海外"向きのスケールの大きさをもつ選手だ。
北島郁哉 photo by Tsuchiya Masashi
北島郁哉(サガン鳥栖U−18→サガン鳥栖)
DF/2005年11月20日生まれ/171cm、67kg
昨年5月、今年3月と二度の右ヒザ前十字靭帯断裂に見舞われ、ここ2シーズンはほとんど公式戦に出場していないが、それでもトップ昇格をクラブが判断するだけのポテンシャルを秘めている。
最大の特徴でもある左足から繰り出す高速クロスは、Jリーグでも通用するレベルの高精度を誇る上に、「自分は怖いもの知らずなので、どんな状況でも突っ込んでいけますし、球際にも強く行けます」と言いきる戦えるメンタルも間違いなくプロ向きだ。
吉永夢希 photo by Morita Masayoshi
吉永夢希(神村学園高校→未定)
DF/2006年2月22日生まれ/177cm、69kg
憧れの選手として挙げるのは、スペイン代表のDFジョルディ・アルバ。「毎試合、得点に絡みたい。後ろの選手だけど、得点でチームを勝たせられる選手になりたい」と口にする攻撃的な左サイドバックだ。
武器はスプリント能力の高さ。前方の選手を勢いよく追い越して、正確な左足クロスでチャンスを演出する。攻撃力を生かすため、左MFとして起用されるケースも増えており、単独での突破に加え、課題だった守備でも成長の跡が見られる。
U−17ワールドカップでの活躍が期待される俊英にはJ1のビッグクラブだけでなく、海外クラブからの注目もあると噂されている。
山内翔 photo by JUFA/Iijima Reiko
山内翔(筑波大学→ヴィッセル神戸)
MF/2002年1月6日生まれ/177cm、74kg
三笘薫を輩出した名門・筑波大学を主将として率いるボランチ。長短を織り交ぜたパスワークと的確なボール捌きでゲームをコントロールする。その堂々たる落ち着きは、もはやプロ10年目では、といったベテランの雰囲気さえ漂う。
神戸U−18時代から技術の確かさは評価されていたが、筑波大ではフィジカルも強化。強さとうまさを兼ね備える選手に成長。アジア大会では退場するも、決勝ではフル出場を果たすなどU−22代表の中心として欠かせない選手であることをうかがわせた。
由井航太 photo by Tsuchiya Masashi
由井航太(川崎フロンターレU−18→川崎)
MF/2005年6月10日生まれ/180cm、68kg
もともとはセンターバックだったこともあり、守備の技術と強度は十分に有しながら、テンポよくパスを動かしていくチームスタイルの中核を担えるだけのボールテクニックも兼ね備える、プレミアリーグEAST屈指のボランチだ。
トップのキャンプに参加した際には、同ポジションの橘田健人から大きな刺激を受けたとのこと。プレーにも会話にも強気なメンタルを滲ませつつ、常に人とは違う発言を心がけているという頭の回転の速さとサービス精神も頼もしい。
碇明日麻 photo by Morita Masayoshi
碇明日麻(大津高校→水戸ホーリーホック)
MF/2005年7月27日生まれ/187cm、70kg
187cmの高身長を生かした競り合いの強さが魅力。高校入学後はセンターバックとしてもプレーしたが、本職であるボランチとしての潜在能力は高い。左右両足から判断よく長短のフィードを繰り出すだけでなく、手足の長さを生かしたボールキープも魅力十分だ。
「ボランチの一番は碇明日麻と全員に言ってもらえるようになりたい。そのためには、攻撃面で勝っていきたい」。そう意気込む今季はゴールへの積極性が増し、セットプレーやミドルシュートで得点を量産。「注目されるなかで結果を残すのがプロだと思う」と水戸での活躍を誓う。
佐藤恵允 photo by JUFA/Iijima Reiko
佐藤恵允(明治大学→ブレーメン)
FW/2001年7月11日生まれ/178cm、75kg
実践学園高校時代は、本人曰く「最弱の代」で全国大会は無縁だったが、練習試合をきっかけに明治大学に進学。鮮やかなドリブルと裏への抜け出しでゴールを重ね、1年時からレギュラーに食い込んだ。前線からの守備とゴール前での対応力の高さも特徴のひとつだ。
大学2年時に『AFC U23アジアカップ2022予選』のメンバーに選ばれたことをきっかけに、世代別代表にもたびたび招集されるように。大学進学時から海外志向が強く、今夏明治大学サッカー部を退部してドイツブンデスリーガのブレーメンへ移籍。
舩橋京汰 photo by Tsuchiya Masashi
舩橋京汰(ジュビロ磐田U−18→愛媛FC)
FW/2005年7月31日生まれ/177cm、69kg
昨シーズンの前半戦は、抜群のスピードと運動量を生かした攻守の献身性を評価されてのスタメン起用が多かったものの、後半戦から一気に得点感覚を開花させ、最終的にはプレミアリーグWESTで10得点を記録。勢いそのままに今シーズンのリーグ戦でも既に二桁得点をマークしており、年代有数のストライカーへと成長を遂げた。
注目の進路は「今の自分ならプロでやっていける自信はある」と大学進学ではなく、愛媛FCへの加入を決断。来季からはプロの世界へと飛び込む。
郡司璃来 photo by Morita Masayoshi
郡司璃来(市立船橋高校→清水エスパルス)
FW/2005年8月3日生まれ/176cm、72kg
名門校で1年目から定位置を掴む実力は伊達ではない。武器は俊足を駆使したプレー。相手DFと巧みに駆け引きをして背後へ抜け出すと、柔らかいタッチを生かしたドリブルで一気にゴール前まで持ち込む。高校3年間でフィニッシュワークも大きく成長。
「試合に出ている以上は絶対に点を決めきらないといけない」と話す郡司はこう続ける。「1、2年生の時はGKを見ずに思いきり足を振っていたけど、今はゴール前で落ち着けて、GKまで見えている」。今季はU−18年代最高峰のプレミアリーグEASTで12得点(10/25現在)をマーク。高体連屈指の点取り屋としてプロの世界に乗り込む。