厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第20回:フレミングフープ

 近年の2歳戦線は"早期デビュー"がトレンドになりつつあり、かつては王道だった評判馬、良血馬の"秋デビュー"は減少傾向にある。とはいえ、この秋にもデビューを予定している話題の若駒が少なからずいる。

 栗東トレセンの友道康夫厩舎に所属するフレミングフープ(牝2歳/父ハーツクライ)もその1頭だ。

 同馬は、2021年のセレクトセール当歳馬部門で上場され、2億円(税別)の高値で取引された期待馬。しかも、数々の名馬を所有してきた金子真人ホールディングスが落札したこともあって、早くから高い注目を集めている。

 母はアメリカで現役生活を送ったシーズアタイガー。GIデルマーデビュタントS(アメリカ・オールウェザー1400m)を制覇し、他にもGIでの2着が2回ある。そのうちのひとつが、GIBCジュヴェナイルフィリーズ(アメリカ・ダート1700m)。同レースでは進路妨害で最終的に2着降着となったが、1着入線を果たして能力の高さを示している。

 繁殖牝馬となってからは、GII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)で2着、GIII共同通信杯(東京・芝1800m)で3着という成績を残しているダノンザタイガー(牡3歳)を出している。同馬は共同通信杯以降、脚部不安で長く戦列を離れていたが、先日復帰。その復帰戦では思わぬ惨敗を喫したものの、今後の巻き返しが期待されている。


フレミングフープのひとつ上の兄、ダノンザタイガー

 そうした血統もあって、初陣を前にしてフレミングフープの注目度は一段と増しているが、陣営の評価はどんなものなのか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「ここまで順調に調整されているフレミングフープ。名門・友道厩舎のスタッフからも、『血統面から期待しています』と高評価の声が聞かれます。

 馬体重は460kgほどで、牝馬としては十分な大きさ。スタッフも『フレームが大きくて、見栄えがするタイプ』と話していました」

 陣営も期待する1頭と言えるが、デビューに向けて調教を重ねるなか、スタッフの手応えも日に日に高まっているという。トラックマンが続ける。

「トレセンで着々と準備を進めるなか、『気配がよくなってきた』とスタッフ。『走りのバランスが非常にいいですね』と、コメントのトーンも上がってきています。

『気性面も落ちつきがあり、何より真面目。操縦性も高そうです』とのこと。特に悪い面も見当たらないようで、陣営は『距離も持ちそう』と分析しています。初陣でどんな走りを見せてくれるのか、楽しみです」

 現時点では、11月5日の2歳新馬(京都・芝1600m)でのデビューを予定しているというフレミングフープ。期待の良血馬が初戦からその実力を遺憾なく発揮するのか、必見である。