仕事の効率を上げるにはどうすればいいか。医師のExcel医さんは「Excelを使いこなせると仕事の効率は一気に上がる。勉強せずとも使えるソフトだからこそ、少し学ぶだけで圧倒的なスキルの差をつけられる」という――。

※本稿はExcel医『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)を再編集したものです。

写真=iStock.com/Aajan
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Aajan

■周りの人が使っていない便利な機能を使いこなせればいい

Excelはほとんどの会社で使われていますが、使いこなせる人はとても少ないです。こちらのツイートをご覧ください。以前Twitterで呟いたことですが、約9万いいねをいただきました。バズったってやつです。それだけたくさんの方に共感をいただけたのだと思います。

断言します。

「Excelができる」は神スキルです。

「Excelができる」の定義は、働く環境によって変わります。目安は、「周りの人が使っていない便利なExcelの機能を使いこなしている」です。そう、周りの人よりExcelが使えたら、それで十分です。

■直感的に使えてしまうがゆえに大半の人は習熟しない

私は誰かにExcelの使い方を教わったわけではありません。そんな私でも、直感的に使えて、必要な表やグラフは作成できていました。しかし、ここに落とし穴がありました。

Excel医『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)

今のご時世、UI(ユーザーインターフェイス)が非常に優れたものであふれています。

「UIってなに?」

たとえば、iPhoneは説明書を読まなくても直感で操作できますよね。それはiPhoneのUIが非常に優れているからです。ですが、iPhoneはなんとなく使えているけど、機能を十分に使えているとは言えないのではないでしょうか。

Excelも同じです。Excelというソフトは、直感的に使えてしまうのです。なので、ちゃんと勉強しようとは思いません。

ちゃんと勉強しないゆえに「Excelができる人なら5分でできる集計作業を、Excel初心者は5時間かけてやる」って、本当にあります。

私がそうでしたから。

Excelには、知っているだけで効率的になるコツがたくさんあります。逆に言うと、Excelを勉強しないと、効率が悪いままなのです。

■「書式」と「表示形式」の違いを理解しているか

「書式」と「表示形式」の違いって理解していますか?

私はよくわかっていませんでした。

[初心者の場合]
・「1000」を太字・赤字で「1000」にすることを「書式を変える」。←正解。
・「1000」を手入力で「1,000円」にする、つまり「,(カンマ)」と「円」を入力することを「表示形式を変える」。←不正解、惜しい。

こんな感じの理解でした。

手入力した「1,000円」は文字列です。文字列は計算できない値です。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

「書式」は文字や表の見せ方を設定するもので、フォントや太字、文字色、背景色、罫線(けいせん)などです。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

一方「表示形式」は、セルの値の見せ方を設定するもので、数値、文字列、パーセント、通貨表示、指数表示、カンマをつける、末尾に“様”をつける、などです。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

なんとなく理解できたでしょうか。

大事なことは、「書式」や「表示形式」を変えても、セルに入っている値自体は変わっていない、ということです。上記の例の場合、見え方は変わっても、セルの値「1000」という数値は変わりません。これは理解しておいてください。

■Excelの基本のキである「セル」とは何か

セルはよく「箱」に例えられます。値をセル(箱)に格納し、表示形式と書式を設定して見え方を変えます。

円表示の表示形式にしているセル(箱)に「1000」という値を格納した。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

太字・赤字にした(書式を変えた)。つまり、「表示形式を円表示にしているセルに「1000」という値を格納し、太字と赤字の書式を設定した」ということ。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

文字も同様です。「表示形式が文字列のセルに、“Excel医”という文字を格納し、下線とHGS創英角ポップ体に書式を設定した」ということ。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

数式を入力した場合は、その計算結果がセルに表示されます。セルに格納した値はあくまでも「=1+2」という数式です。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

「表示形式を1つ選択し、書式を加えていき見た目を整える」という理解です。表示形式は複数選択ができませんが、書式は複数選択ができます。

■「数値」か「日付」か? つまづきやすい「セルの表示形式」

「セルの書式設定」を開いてみてください(Ctrl+1)。表示形式はあくまでも書式の中に含まれます。配置、フォント、罫線、塗りつぶしなどの書式を追加で設定します。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

「表示形式」:どのような表示にするか、細かい設定はここでできます。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

「配置」:セルの中で文字をどんな位置に表示するかを設定できます。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

「フォント」:文字通り、フォントの設定ができます。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

「罫線」:罫線の細かい設定はここでできます。

『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

「塗りつぶし」:セルの背景色が設定できます。

なお、「保護」も書式に含まれますが、本稿では省略します。

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Excel医医師
内科医として勤務する中、職場の悲惨なデータベースを見てExcelを猛勉強し、初心者レベルからVBAを習得するまでに至る。ユーザーフォームで組織内のシステムを構築し、業務効率を改善し、生産性の向上を遂げる。2020年6月よりTwitterを開始し、非IT系のExcel初心者に向けた情報を発信。フォロワー数は6万人を超える。
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(医師 Excel医)