ハーバード大学で天文学を研究するアヴィ・ローブ教授が太平洋で「異常な組成の小球体」を発見しました。ローブ氏は小球体が地球外文明に由来するものであると主張しています。

The Spatial and Size Distributions of Spherules are Correlated with IM1’s Likely Path | by Avi Loeb | Jun, 2023 | Medium

https://avi-loeb.medium.com/the-spatial-and-size-distributions-of-spherules-are-correlated-with-im1s-likely-path-6a25a7011267

Why Harvard’s Avi Loeb thinks he may have found fragments of an alien spacecraft at the bottom of the Pacific | The Independent

https://www.independent.co.uk/news/world/americas/avi-loeb-interstellar-object-aliens-b2369534.html

Physicist who found spherical meteor fragments claims they may come from an alien spaceship - here's what to make of it

https://theconversation.com/physicist-who-found-spherical-meteor-fragments-claims-they-may-come-from-an-alien-spaceship-heres-what-to-make-of-it-209101

Harvard scientist claims 'anomalous' metal spheres pulled from the ocean could be alien technology. Others are not convinced. | Live Science

https://www.livescience.com/space/extraterrestrial-life/harvard-scientist-claims-anomalous-metal-spheres-pulled-from-the-ocean-could-be-alien-technology-others-are-not-convinced

ローブ氏が地球外文明に関連する主張を繰り広げるのは今回が初めてではありません。過去には2017年に太陽系外から飛来した天体「オウムアムア」について「地球外文明に由来するもの」と主張していた他、2022年にはアメリカ国防総省と共同で未確認飛行物体(UFO)や未確認異常現象(UAP)を調査するための機関「All-domain Anomaly Resolution Office(AARO)」を設立。さらに2023年には「地球外からやってきた太陽系を監視するための宇宙船が、小型の探査機を送り込んで来る可能性がある」とする文書を公開しています。

エイリアンが送り込んだ小型探査機が地球を監視している可能性があると国防総省の研究機関が主張 - GIGAZINE



ローブ氏は2014年にパプアニューギニアの沿岸部に落下した隕石(いんせき)「CNEOS 2014-01-08(IM1)」について、「太陽系内の天体とは考えられないほど高速に落下していた」という測定結果を根拠に「太陽系外から飛来した恒星間天体である」と推測し、海中に沈んだIM1を磁石で回収する「ガリレオ計画」を進めていました。

太陽系外から飛来して海に沈んだ「恒星間天体」を磁石で回収する計画が立案される - GIGAZINE



ローブ氏はガリレオ計画の資金調達に成功し、2023年6月からIM1の収集作業を開始。そして、以下のような直径約0.5mmの小球体を含む複数の痕跡を海中から回収することに成功しました。小球体の組成を分析した結果、インジウムの含有量が異常に多いことが判明。このことからローブ氏はIM1が太陽系外から飛来した物体であると推測し、惑星間を航行する宇宙船由来の物質である可能性も主張しています。



しかし、オープン大学で隕石について研究するモニカ・グレーディ教授は発見された小球体のニッケル含有量の少なさから「太陽系内から飛来した隕石ではない」という可能性は認めているものの、「太陽系内から飛来した隕石ではないということは、太陽系外から飛来した隕石であることの証明にはなりません。元から地球上に存在していた物質の可能性もあります」と指摘しています。

さらに、ウェスタン・オンタリオ大学で隕石について研究するピーター・ブラウン教授は海中にはIM1以外の隕石も大量に存在すると指摘し、「回収された小球体と特定の隕石を関連付けるのは本質的に不可能でしょう」と述べています。また、IM1が太陽系外から飛来したと推測される根拠となった「太陽系内の天体とは考えられないほど高速に落下していた」という測定結果についても、「(IM1の落下速度を測定した)アメリカのセンサーは高速域において速度を過大評価する傾向があります」と指摘しています。