スマホからミラーレスにステップアップ! より綺麗な写真を撮りたい人のためのガイド

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スマートフォンで写真を撮影している人の中には、今よりも高画質の写真撮影を楽しみたいと考えている人もいるだろう。

デジタル一眼レフカメラを使って撮影すれば、スマートフォンよりも高画質な写真を撮影できる。

とはいえ、デジタル一眼レフカメラは、スマートフォンに比べてサイズが大きくなり、重量も増える。日常的に持ち歩いて撮影するにハードルが高い。

そこでおすすめしたいのが、ミラーレスデジタル一眼カメラ(以下、ミラーレスカメラ)だ。

ミラーレスカメラはデジタル一眼レフカメラと同等の高画質な写真を撮影することができるうえ、カメラ本体が小型で軽く、持ち運んでの撮影での負担も少ないという特徴を持っている。

ここでは、手軽に持ち運びができるミラーレスカメラの選び方と、おすすめのカメラを紹介する。


■デジ一眼の見直しに迫られた経緯と、ミラーレスカメラの選び方
筆者は取材時、デジタル一眼レフカメラを使用している。
画質に関しては、現在のスマートフォンのカメラでも満足できるだろうが、デジタルズームでの撮影などでは倍率が上がれば上がるほど、画質の劣化が著しい。

こうした課題はデジタル一眼レフカメラでズームレンズを使うことで、簡単に解決ができる。デジタル一眼レフカメラのレンズ交換方式は、スマートフォン時代においても画質面では大きなメリットであることは確かだ。

デジタル一眼レフには、こうしたメリットがあるものの、重さという問題が避けて通れない。たとえば筆者が使用しているデジタル一眼レフカメラは、レンズ込みで約1.5kgもある。
200g前後のスマートフォンの7〜8倍の重さだ。

一方、ミラーレスカメラは、スマートフォンよりは重くなるが、デジタル一眼レフよりは、はるかに軽く小型なため扱いやすい。

ミラーレスカメラは各社が販売しているが、ここではソニーのミラーレスカメラを例に、選び方を紹介する。


〇性能と価格、重さのバランスを考えよう
ミラーレスカメラ選びで重視したいのは、性能と価格、重さのバランスだ。

ミラーレスカメラ選びでは、センサーサイズの違いを理解しておこう。
・フルサイズ:フィルムカメラと同等の35mmフィルムサイズの撮像素子
・APS-C:35mmフィルムの約半分のサイズの撮像素子

センサーサイズが大きいほど光を取り込めるため、より高画質な写真が撮れる。
センサーサイズがフルサイズであれば、APS-Cよりも高画質だが、カメラ本体の重量も大きくなるだけでなく、価格もかなり高価になる。
特別な用途や理由がない限り、センサーサイズはAPS-Cのミラーレスカメラを選べば問題ない。

今回は、センサーサイズがフルサイズ、APS-Cの両方のおすすめミラーレスカメラを紹介する。


左がデジタル一眼レフカメラのキヤノン「EOS 7D Mark II」、右がミラーレスのソニー「α7C」。前者のセンサーサイズはAPS-Cだが、後者はフルサイズだ。


■おすすめのミラーレスカメラを紹介
〇SONY「α7C ILCE-7C」

このレンズとケースの組み合わせで、約740g。ケースがなければ、約676g。フルサイズのミラーレスとしては小型・軽量だ。


本体サイズ:W124.0×H71.1×D53.5mm (グリップからモニターまで)
撮像素子:35mmフルサイズ
カメラ有効画素数:約2420万画素
手ブレ補正:イメージセンサーシフト方式5軸補正
レンズ補正:周辺光量、倍率色収差、歪曲収差
本体サイズ:W124.0×H71.1×D53.5mm(グリップからモニターまで)
重量:約424g(本体のみ)
URL:https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-7C/

35mmフルサイズのミラーレス一眼。発売時、光学式ボディ内手ブレ補正機構を搭載したフルサイズミラーレスの中で、世界最小・最軽量のフルサイズミラーレスだった。現在は、2023年3月29日に発売されたZV-E1(約399 g)に世界最小・最軽量のフルサイズミラーレスの座を譲った。

本体だけで約424gあるが、高性能で使い勝手がよいため、筆者はここ一番の写真を撮影するときに使用している。ボディの重量が後述するミラーレスに比べて若干重たい以外は、申し分なしだ。

340g ZV-E10 APS-C、歪曲収差補正あり

〇SONY「VLOGCAM ZV-E10」

SONY「VLOGCAM ZV-10」。ホワイトとブラック 2色のカラーバリエーションがある。


撮像素子:APS-Cサイズ
カメラ有効画素数:約2420万画素
手ブレ補正:交換レンズ側対応 (レンズ仕様による)
レンズ補正:周辺光量、倍率色収差、歪曲収差
本体サイズ:W115.2×H64.2×D44.8mm (グリップからモニターまで)
重量:約299g(本体のみ)
URL:https://www.sony.jp/ichigan/products/ZV-E10/

ビデオブロガーやコンテンツクリエーターに人気のミラーレスだ。このサイズと重量で、約2420万画素APS-Cサイズのセンサーを搭載しているため、α7Cほどの画質は必要ないが、そこそこ綺麗な写真を撮影したいときに持ち歩いている。

〇SONY「α5000」

SONY「α5000」。ストロボは、レンズの根本に搭載されている。


撮像素子:APS-Cサイズ
カメラ有効画素数:約2010万画素
手ブレ補正:交換レンズ側対応 (レンズ仕様による)
レンズ補正:周辺光量、倍率色収差、歪曲収差
本体サイズ:W109.6×H62.8×D35.7mm
重量:約210g(ボディのみ)
URL:https://www.sony.jp/ichigan/products/ILCE-5000/

ストロボを内蔵した小型・軽量のミラーレスだ。暗い場所で撮影する際、ZV-E10は外部ストロボを必要とするが、α5000であれば、ストロボを持ち歩く必要がない。

シャッターボタンの近くにズームボタンがあり、使い勝手がよい。写真をシェアできるWi-Fi機能も搭載されており、撮影した写真をその場で、友達や家族のスマートフォンに写真を送ることができる。

〇SONY「NEX-5R」

SONY「NEX-5R」。タッチパネルを搭載したミラーレス。


撮像素子:APS-Cサイズ
カメラ有効画素数:約1610万画素
手ブレ補正:交換レンズ側対応 (レンズ仕様による)
レンズ補正:周辺光量、倍率色収差、歪曲収差
本体サイズ:W110.8×H58.8×D38.9mm
重量:約218g(本体のみ)
URL:https://www.sony.jp/ichigan/products/NEX-5R/

カメラ有効画素数は約1610万画素であるため、α5000に比べて画質は劣るものの、α5000にないタッチパネルを搭載する。被写体にピントを合わせてシャッターを切ったり、設定を変更したりできるため、使い勝手が各段によい。

ストロボは外部となるが、小型であるため、携帯性を損なわない。さらに周辺光量、倍率色収差、歪曲収差に対応しているため、綺麗な写真撮影が可能だ。

225g NEX-C3 APS-C、歪曲収差補正ない(画像が歪む)


SONY「NEX-C3」。とにかく小さくて軽い。


撮像素子:APS-Cサイズ
カメラ有効画素数:約1620万画素
手ブレ補正:交換レンズ側対応 (レンズ仕様による)
レンズ補正:非搭載
本体サイズ:H109.6×H60.0×D33.0mm
重量:約225g(本体のみ)
URL:https://www.sony.jp/support/ichigan/products/nex-c3/

世界最小・最軽量のレンズ交換式デジタル一眼カメラとして、2011年6月24日に発売された。12年前のミラーレスだが、このサイズで綺麗な写真が撮影できるのは大きな魅力だ。Eマウントに対応しており、最新のレンズを装着することもできる。

残念ながら、手振れ補正・レンズ補正が搭載されていないので、思い通りの写真が撮影できないことがあった。
撮影条件によっては、魚眼レンズで撮影したような写真が撮影されることもあった。


■「手振れ補正」「歪曲収差補正」に注目
ミラーレスカメラは本体+レンズで持ち歩くため、カメラ本体の重量は軽ければ軽いほど、持ち歩きや取り回しでの負担は減る。
性能は上を見ればキリが無いが、センサーサイズはAPS-C、有効画素数は約1610万画素程度であれば、スマートフォンとの違いも実感するには十分だろう。

ここで紹介したミラーレスを重量別に並べると、下記のとおり。
約424g α7C フルサイズ、約2420万画素、歪曲収差補正あり
約299g ZV-E10 APS-C、約2420万画素、歪曲収差補正あり
約210g α5000 APS-C、約2010万画素、歪曲収差補正あり、ストロボ内蔵
約218g NEX-5R APS-C、約1610万画素、歪曲収差補正あり、タッチパネル
約225g NEX-C3 APS-C、約1620万画素、歪曲収差補正なし(画像が歪む)


左から順番にα7C、ZV-E10、α5000、NEX-5R、NEX-C3


ミラーレスカメラで写真を撮影するためには、カメラ本体に加え、レンズも必要だ。
筆者がふだん使いに使用しているレンズは、下記のとおり。
・約460g SONY「E 18-200mm F3.5-6.3 OSS LE」(手振れ補正あり)
使い勝手がよい。少し大きく重たい
・約167g SONY「FE 28-60mm F4-5.6」(手振れ補正なし)
まあまあ使える。軽いが、広角が弱い
・約116g SONY「パワーズームレンズ E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」(手振れ補正あり) 
小型ながら、そこそこ使える。軽いが、望遠が弱い

レンズに手振れ補正があれば、写真の振れを低減できるため、非搭載よりも搭載しているほうが便利だ。とはいえ、レンズ側に手ブレ補正機能がなくても、カメラ本体の手ブレ補正機能を利用できるので、拘りすぎる必要はない。
たとえばSONY「FE 28-60mm F4-5.6」は、
手振れ補正を備えていないが、α7Cとの組み合わせて使えば、光学式5軸ボディ内手ブレ補正を利用して撮影できる。

レンズの歪曲収差補正は、撮影する写真の歪みに影響するため意外に重要な要素なので、特に広角側のレンズでは、レビューや評価などを確認しながら選ぶとよいだろう。


左から順番にSONY「E 18-200mm F3.5-6.3 OSS LE」、SONY「E 18-200mm F3.5-6.3 OSS LE」、SONY「パワーズームレンズ E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」






ITライフハック 関口哲司