深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、福建南王環保科技(301355/深セン)が5月31日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4878万株を発行予定で、公募価格は17.55元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、福建南王環保科技(301355/深セン)が5月31日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4878万株を発行予定で、公募価格は17.55元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2010年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。環境に優しい紙袋や食品包装などの紙製品の研究開発、製造、販売を主業務としている。製品は主にファストフード店、アパレルショップ、スーパーマーケットやデパート、ドラッグストアなどで使用される取っ手付きの紙袋、ファストフード店の小型紙袋やハンバーガー包装紙、紙カップ、紙ストローなど。
 
 2022年12月期の売上構成は、取っ手付き紙袋製品が51.48%、食品包装用紙製品が48.52%となっている。中国の業界雑誌「印刷経理人」による中国印刷包装企業トップ100において、19年の85位から20年の58位、21年の47位、22年の36位と着実に順位を上げている。また、売上高ベースの中国国内紙製品包装市場シェアは20年が0.29%、21年が0.37%、22年が0.35%となっている。
 
 中小規模が乱立する中国国内の業界において一定の経営規模を持ち、特に環境保護型紙袋分野では業界をリードする市場規模を持っていること、ドイツや日本の先進的な生産設備を導入していること、ケンタッキー・フライド・チキンやマクドナルド、スターバックスコーヒー、ユニクロ、ナイキ、アディダスを始めとする国内外の著名ブランドで同社の製品が利用されていることなどを強みとする一方で、世界の主要メーカーに比べると市場規模や技術の面でなおも一定の差があることがボトルネックとなっている。
 
 22年12月期の売上高は10億5360万元(前期比11.86%減)、純利益は7551万元(同10.12%減)。23年1〜3月期の売上高は2億4580万元(前年同期比3.43%減)、純利益は1736万元(同1.20%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)