日本映画「ある男」の石川慶監督（中央）と記念撮影をするCicadaのカンカイとジェシー（政駒実業提供）

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（台北中央社）台湾の室内楽アンサンブル、Cicada（シカーダ）が東京都内で10日に開かれる第46回日本アカデミー賞授賞式に出席する。日本映画「ある男」の音楽を手掛け、優秀音楽賞を受賞した。授賞式参加を目前に控えたCicadaのメンバーは、緊張した気持ちを明かした。

2009年結成のCicadaは、バイオリン、チェロ、アコースティックギター、ピアノをメインに音楽を生み出している。昨年、日本の制作側からのオファーを受けて「ある男」の音楽を担当した。台湾のバンドが日本アカデミー賞の受賞者に名を連ねるのは初めて。

12日に台北市内で新アルバム「棲居在渓源之上」を引っさげたワンマンライブを予定しているCicada。日本アカデミー賞受賞の知らせを受け、10日の授賞式に出席するか悩みに悩んだという。だが、貴重な機会を逃すまいと出席を決めた。8日に台湾を出発し、授賞式翌日に台湾に戻ってリハーサルを行うという過密スケジュールにメンバーは「世界的なスーパースターになったみたい」と笑う。

バイオリンのカンカイ（罡��）は、自分の格好が浮いてしまい、有名芸能人の隣に立つとウエーターみたいになってしまわないか心配だと笑う。日本語が分からないチェロのティンチェン（庭禎）は、日本のスタイリストを探していた際に翻訳サービスで日本語に翻訳したものの、自分がもともと翻訳したかった言葉を忘れ、訳された日本語を再び中国語に翻訳するはめになったエピソードを披露。「本当にばかばかしい」とあきれてみせた。

ピアノでリーダーのジェシー（致潔）は、映画の制作に参加できたのは光栄だと話す。受賞はもちろんうれしいものの、ワンマンライブの日も迫っているため、「準備の進捗状況にとても焦る」と心境を明かした。

優秀音楽賞は「すずめの戸締まり」のRADWIMPSと陣内一真、「耳をすませば」の�盡�優らも受賞している。この中から最優秀音楽賞が授賞式で発表される。

（葉冠吟／編集：名切千絵）