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 土曜日に控えるVfBシュトゥットガルト戦はバイエルン・ミュンヘンにとって、翌週に控えたチャンピオンズリーグ16強セカンドレグ、パリ・サンジェルマンとの決戦に向けた前哨戦という意味合いももつ。だが大接戦となっているリーグ戦の状況からしても、この試合で敢えて実験的なことを行う余裕はナーゲルスマン監督にはないだろうが、それでも前回のパリでの試合で活躍をみせていたベンジャマン・パヴァールが今回は出場停止となることからも、その対応を求められているという背景もある。

 そんな中で前回のウニオン・ベルリンとの一戦では、ヨシプ・スタニシッチが先発メンバーに名を連ねた。これはダヨ・ウパメカノが出場停止となったために、パヴァールがセンターバックにスライドした穴埋めとしての起用であり、それは今回のパリ・サンジェルマン戦でも採用されるオプションの1つだといえるだろう。なぜならばオープンな展開は避けたいこの試合で、スタニシッチの起用は守備的なアプローチとなる。実際に攻撃的なカンセロと比較して、今回の試合でもスタニシッチはバランサーとしての存在感を発揮していた。

 22歳のクロアチア代表は既に今季のチャンピオンズリーグでも先発出場を果たしており、また昨年夏のネイションズリーグではフランス代表戦でエムバペと直接対峙し、そこで高評価を受けたというポジティブな経験も持ち合わせる。その直後のキッカーとのインタビューで、同選手は「彼のもつ類稀なスピードは皆も知るところ。だから守る側としてはある程度の距離を保たなくてはいけない。一度引き離されたら最後、もう追いつくことはできないから」と説明。

 しかしながらその経験を今冬のワールドカップでは活かすことが叶わず、3位決定戦での出場のみに終始してしまったが、ただそれでもこれだけのレベルで対峙できることは既に実証済み。また右サイドバックでそんなスタニシッチを起用することで、ナーゲルスマン監督としては同選手がボールを持った際、逆サイドの快速デイヴィースを押し上げたプレッシャーをかける手法も考えられるだろう。果たして最終的にはどのような決断が下されるか。決戦は来週の水曜日だ。