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 アイントラハト・フランクフルトではエビンベ以外、全員がオプションという状況にはあるのだが、それでも何人かの選手についてはまだ疑問符がつく。例えば移籍市場最終日に加入したフィリップ・マックスについても、「到着してすぐに練習では好印象を与えている」とグラスナー監督は評するが、感染症もあって出場機会が最近乏しかった「マックスを先発させるかまではわからない」と警鐘。また左サイドバックではブタ、クナウフ、レンツらが「良いパフォーマンスをみせていた」というのもあるようだ。またセバスチャン・ローデや長谷部誠についても、今回も引き続き先発起用ということになるかはわからない。本来であれば先発は妥当なところであろうが、ただ3日後にダルムシュタットとのドイツ杯16強が控えるため、ローデにはこの過密日程はタフとなる可能性がある。加えてバイエルン戦ではベンチスタートあった鎌田大地、ジブリル・ソウの存在もあるだろう。

 長谷部が中心で重要なリーダーシップを発揮する3バックの布陣では、トゥータとヌディカがより自信をもってプレーしているように見受けられる。一方でスモルチッチが入ったシャルケ戦とフライブルク戦では、驚くほど守備面でぐらつきがみられ、39歳と22歳を比較して「理論的にいえば誠はスモルチッチより5%劣ったとして、でもそれで他の10人の力が1%ずつ増していくのであれば、最終的には5%プラスということになるのだよ」と独特の言い回しで説明。とはいえ「何年かやってきた若い選手たちが、今度は自分たちの番だと責任感をもつことは重要なんだけどね。それによって非常に大きなステップを果たせるはずだ」

 直接名前を明かさずともその示す先がトゥータやヌディカであることは想像に難くない。特に後者はフランクフルトで通算165試合、前者も83試合に出場しており、まだ23歳という年齢えはあっても経験で浅いとはいえない。「誠がプレーしているとき、彼はあらゆる部分で責任をもってくれる。それによって2列目からのプレーが楽になってくるのだ」とグラスナー監督は説明。確かに責任とリスクは紙一重ではあるが、そこを乗り越えなくてはならないということ。そのお手本として2014年からプレーする長谷部は適任であり、「その存在感、経験、人柄、そしてもちろんクオリティの高さによって、周りの選手たちを支えてくれているんだ。だから誠のような選手、人間がチームにいてくれることは大変に喜ばしいことなのだよ。仮に2試合で欠場したとしても、彼は決して不平不満を言うのではなく、求められる時に向けてしっかりと準備し答えを出してくれるんだ」と熱い信頼を語った。

#ヘルタ 戦の試合記者会見に臨んだ #グラスナー 監督

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- Eintracht Frankfurt (@eintracht_jp) February 2, 2023

フランクフルト、グラールと延長

 アイントラハト・フランクフルトはイェンス・グラールとの契約を更新したことを発表した。34歳のゴールキーパーはケヴィン・トラップ、ディアント・ラマイにつぐ3番手に控えており、今回は2026年までとなる1年半を更新。「イェンスと良好で成功した協力関係を継続できることを嬉しく思う」とクレーシェSDはコメント。「選手としてのクオリティに加えて、GK陣やチーム全体においても非常に重要な存在となっている。その前向きな姿勢とプロフェッショナルさは多くの人の模範となるもの。特に若手選手は彼から吸収していくところが多くあるだろう」と述べている。シュトゥットガルトやホッフェンハイムなどでブンデス出場経験ももつグラールは「素晴らしい評価で、早期に延長できることがうれしい。ここで落ち着いて過ごせているし、これからも鷲の紋章をつけてプレーするのが楽しみだよ」と語った。なお契約満了後も別の役割としてチームに残留することになるという。

トラップとの延長もめざすフランクフルト

 さらにフランクフルトでは2024年まで契約を残す守護神トラップとの延長も希望しているところであり、近々それも正式に発表されるかもしれない。契約には引退後の条項についても盛り込まれる見込みで、確かに同選手の代理人を務めるシュトルート氏とのいざこざも伝えられたものの、先日には同氏が代理人を務めるフィリップ・マックスが加入するなど大した問題ではないようだ。ただ意外な数字として実は、トラップのクロス捕球率はリーグ全体で最低レベル(3.9本)、セービング率自体も62.1%にとどまっている。「これは我々のプレーのアプローチによるもの」とクレーシェSD。「うちの場合は相手が突破してきた時点ですでに比較的早くビッグチャンスとなってしまう。それは意識的に我々が受け入れているものだが」と述べており、むしろそこでトラップは1vs1の場面では「リーグでベスト、もしくはその中の一人だ」と確信する。グラスナー監督も「最近ではGKの足捌きや、あれがないとこれがないとなんて声があるが、とどのつまりボールをキャッチすることが基本であり、それはケヴィンが非常に得意とするプレーだよ」と強調した。