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 ドイツサッカー連盟に対してフランクフルト・アム・マイン地方裁判所は、マヌエル・グレーフェ審判員に対し、”年齢差別”として48万5000ユーロの損害賠償を命じる判断を下した。ちなみにグレーフェ氏に対する過失利益に関する請求は「年齢的な部分はある」として却下されている。なお判決の場には両者ともに姿を見せておらず、判決文送付後1ヶ月以内に高等裁判所に対して控訴を行うことが可能。

 今回の判決のポイントとなったのは、ドイツサッカー連盟がどのような理由で、パフォーマンス志向とならなかったかが、明確に規定されていないことを批判している。グレーフェ氏側は元々明確には規定されていない47才という年齢制限に基づいた判断でしかないと指摘し、それによって「楽しみ」「喜び」「仕事」が奪われ「経済的不利益」も生じたことを説明。「仮に年齢制限なるものがなければ、今も私はピッチに立っていたことでしょう」と11月の審議の際に訴えていた。だがこれに対してドイツサッカー連盟は否定し「グレーフェ氏はこれまで何度も事実と異なることを主張している」と反論。

 だが今回の判決を下したウルフ判事は、「このような契約が締結される場合、それがどのように行われるかが細かに規定され然るべきだと判断する」と、そのプロセス全体における透明性の低さを批判。「現時点では全くみられない」ともしており、今回の判決はあくまでグレーフェ氏のケースのみに適用されるものだが、ドイツサッカー連盟は今後は審判員リストに掲載するための規定の改革について検討していく必要がある。

ブリヒ審判員、年齢制限超えを希望も・・・

 グレーフェ氏に関してはこの判決に関わらず審判員への復帰については否定しているが、一方でもう1人長年ドイツを代表する審判員として活動してきたフェリックス・ブリヒ審判員についえてゃ、先日に47才の年齢制限を超えて職務を継続したいことを公言。「ラオスでの合宿中にマネジメントに対して、原則として来季も活動したいとの意向を伝えた」と述べているが、まだその結果は見えない。実際にグレーフェ審判員は選手たちからは非常に評価の高かったにも関わらず、連盟からはあまりウケはよくなく2020/21シーズンをもって退任した。