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 水曜午後時点ではまだ金曜のRBライプツィヒ戦にて、バイエルン・ミュンヘンのユリアン・ナーゲルスマン監督にとっては、いったい誰をゴールキーパーとして起用するかは不明のままとなっていた。今冬のワールドカップ後にマヌエル・ノイアーがスキーツアーで足に重傷を負い、残りシーズンを全休することからその穴埋めが急務となっていたものの、冬季合宿も終え後半戦再開を2日前に控えたいまだなお、バイエルンでは新たなゴールキーパーの獲得発表はなされていなかったのである。

 仮に入団に漕ぎ着けたとして、どれほどの時間を必要とするのか?「15分だね」と返答したナーゲルスマン監督は、改めてスウェン・ウルライヒへの信頼感を強調しつつ、「まぁ、半年かかるような大掛かりなものではないさ」と言葉を続けた。「どいういった方向性であれ、しっかりと決断を下したい。ここのポジションでも安心しておきたいと考えるのは当然だ」

 実際に可能性の1つとしてはそのウルライヒを先発GKとしてたて、むしろそのバックアップGKを獲得するということも考えられたことだろう。特に先日にはその候補の1人となっていたASモナコにレンタル中のアレクサンダー・ニューベルについて、同選手の代理人がこのままモナコに留まることを明言したため有力候補が1人消えたばかりだ。

 ただそんな中でスイスのブリック紙によれば、ボルシア・メンヒェングラードバッハからバイエルン・ミュンヘンは、長年守護神を担い続けてきたスイス代表ヤン・ゾマーという解決策を見出したという。この情報はすでにキッカーでも確認をとった。同選手は水曜日の練習には姿をみせておらず、ミュンヘンでメディカルチェックを受け、2025年までの契約にサインする見通し。

 kickerが得た情報によれば移籍金額は800万ユーロで、さらに成果に応じたボーナスとして100万ユーロが追加される仕組みとなったようだ。シーズンの最中ながらグラードバッハが移籍に同意した理由は、契約を半年後で満了する同選手からこれほどの移籍金を手にできたこと、そしてその後任としてすでにHSCモンペリエから同じスイス人GK、ヨナス・オムリンの獲得に向けて詰めの段階に入ったこともあげられる。

 とりわけバイエルンにとってはゾマー入団以降、グラードバッハとのリーグ戦17試合で6勝4分7敗と負け越しており、直近3試合では2分1敗と未勝利が続いているところ。そこでは常にヤン・ゾマーが立ちはだかってきた。

テル=シュテーゲンの後釜、ノイアーの復帰後は?

 2014年に母国のFCバーゼルから、バルセロナに移籍したテル=シュテーゲンの後釜として加入したゾマーはブンデス屈指のGKへと飛躍、ブンデス272試合、ドイツ杯で21試合、チャンピオンズリーグで34試合、ヨーロッパリーグで38試合に出場しており、スイス代表として80試合でプレーしユーロやワールドカップでも活躍を披露。

 ただしバーゼル時代に4度のリーグ優勝を飾ったが、渡独以来それからは遠ざかる日々が続いていたものの、ここにきてそのビッグチャンスが訪れたことになる。ただ来季より復帰を目指すノイアーが戻ってきた場合に、ゾマーがバックアップに甘んじるかどうかはまだ不明だ。