©️picture alliance / Eibner-Pressefoto

 ブンデスリーガでは今週の金曜日から、再びリーグ戦再開の時をむかえる。スカイなどでTV解説を務める元ドイツ代表のレジェンド、ローター・マテウス氏はkickerとのロングインタビューの中で、ブンデスリーガがこれほどの長期休暇を選択したことで「ワールドカップ前には特に代表選手たちにとって、ずいぶんとタイトなスケジュールを強いられていた。そのぶん彼らにだって充電の時間は必要だよ。メンタル的にもね。だからそのための時間がより長く当てられたということだ」とコメント。つまりは長期休暇によってプレー面の質向上という点ではプラス材料にしか働かないということだ。

 それではバイエルン一強時代が10年続くリーグ戦の展望はいかがなものか。その幕開けを飾るバイエルンvsライプツィヒ戦から、シーズンを大いに占う重要な一戦になると同氏はみる。仮にここでバイエルンが勝利をおさめるならば11連覇に向けて邁進していくかもしれない。だがここでRBライプツィヒが待ったをかければ上位争いは混戦状態となる。確かにバイエルンは秋の猛攻で首位奪還を果たしたが、ライプツィヒもまたマルコ・ローゼ監督就任から13試合連続無敗で再浮上。そして迎えた今回の首位叩きにむけ「勝負にでてくるはずだ」とマテウス氏はみる。とりわけライプツィヒと「ローゼ監督はザルツブルクなどからの経歴からみて完璧にフィットしたものだ。ここにマックス・エベールSDという能力と経験も加わった」と警戒。

 そしてさらに上位争いを展開する候補として、前半戦では長らく首位堅持というサプライズをみせた「1.FCウニオン・ベルリンも印象的ではある。しかしなんといってもフライブルクだよ。このチームはみていて楽しいね。このクラブ、その選手たち、そしてクリスチャン・シュトライヒ監督が、これまでに成し遂げてきたことは見事なものだ。常に驚きをみせてきたフライブルクの成功に疑問をなげかける理由はない」

 確かにバイエルンでは夏にロベルト・レヴァンドフスキが移籍、加入したサディオ・マネ、そして守護神マヌエル・ノイアーやリュカ・エルナンデスも長期離脱。一方で前述のライプツィヒ同様にシーズン序盤ではつまづきをみせたものの、ただそれを補えるだけのクオリティが備わっていたことが、ドルトムント(6位)やレヴァークーゼン(12位)との違いを物語るものではある。「これだけの質ならばリーグ優勝は必須。カップ戦は”フリースタイル”。だが国内タイトル獲得だけがこのクラブに求められているわけではない。」

 本来ならば同様に国内外でバイエルンと対峙する存在であるはずの、ボルシア・ドルトムントについては、マテウス氏はもはやブンデス優勝争いは念頭には置いておらず「確かに彼らの質は現在の6位以上のものはあるよ。必ずしも優勝を果たさなくてはならないということはないが、それにしてもあまりにも勝ち点をとりこぼしすぎてしまったね」と指摘。またドルトムントでここのところ話題の18歳ユスファ・ムココとの契約延長交渉については、「もうしばらくは頑張るべきだろう。誰も海外で諸手を挙げて迎え入れてくれるわけではないんだ。サンチョ、デンベレ、プリシッチ、過去のこういった元ドルトムントの選手たちをみて、現在の状況を判断していくべきだと思うよ」と述べている。