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 日本代表の森保一監督は、このカタール・ワールドカップで初めて、ベスト8進出という歴史を刻むことを目指していた。だがその夢は延長戦の末に迎えたPKの失敗により潰えることとなる。「十分に勝機はあった」と悔しさを滲ませた54歳の指揮官だったが、「東アジアにとって決してこれが最後のチャンスではないはずだ」とコメント。「日本サッカーの新時代の幕開けがここで見られた。我々は世界のレベルで戦い、そして勝利できるところを示している。その自覚をもって更につぎのステップへと進むよ」と胸を張った。

 事実、日本代表は『死の組』と言われたグループにおいてドイツ、そしてスペインをも撃破。首位突破を果たしただけではなく、今回のクロアチア戦もレギュラータイムと延長戦のいずれも、決してリードを許したわけではない。むしろ後半途中にペリシッチが同点弾を沈めるまでは、日本代表は戦術的に統制のとれたディフェンスと蜂のように刺すカウンターで試合をコントロールするなど、むしろ相手を上回る戦いぶりをみせていたのだ。ただ「ドイツ戦とスペイン戦では後半に調子を上げていくことができたが、今回はそれができなかった。クロアチアは我々をよく分析して、長所にうまく対応していたと思う」とコメント。

 そして自分たちを決して見失わないことの重要性も説き、「ある日、突然にスーパーヒーローになれるわけではないんだ。これを受け入れ、少しずつ改善していくしかない。」と強調。「ラストパス」や「PA内におけるシュートのクオリティ」など具体的に指摘しつつ「こういった部分ではまだ、欧州との差があり遅れをとっている。PKだってもっとうまくならなくてはいけない」とも。ただ失敗した3選手を責めるのではなく、「この重圧の中で戦う選手たちは尊敬に値するものだ」とも付け加えている。なおキッカーは選手同士で決めていたことも明かされた。落ち込む選手たちに「ここで達成したこと、それは何人たりとも決して奪えないものだと伝えた」という森保監督。鎌田、堂安、富安、出場停止だった板倉ら、20代の世代の飛躍は、まだまだこれからだ。