山形新幹線の“峠”一気にぶち抜く 「米沢トンネル」整備へ県・JRが覚書
道路トンネルもできたんだし!
山形県とJR東日本が覚書を締結
山形県とJR東日本は2022年10月14日(月)、山形新幹線の「米沢トンネル(仮称)」整備計画を推進する覚書を締結しました。
山形新幹線E3系(画像:JR東日本)。
新幹線列車が走る奥羽本線の庭坂〜米沢間約23kmの区間に、抜本的な防災対策となる新トンネルを建設する計画です。現段階で工期は着工から約15年、事業費は約1500億円を見込み、調査により今後精査するとしています。
整備効果として、200km/h以上の高速走行も可能な緩やかなカーブのトンネルとすることで10分強のスピードアップを実現するほか、大雪や動物との衝突などによる運行への影響を減らし、安全性を格段に向上させるといいます。
山形新幹線にとって最大の難所を克服するこの事業は、2017年にJR東日本から山形県に対し、同区間の抜本的な防災対策となるトンネルのおおよそのルートや事業費などの調査結果が示され、翌年から実務者レベルで検討が進められてきたといいます。2021年には、JRが高速走行可能なトンネルについてより詳細な調査を県と共同で実施したい旨を提案。県も2022年度予算より調査費を計上しています。
覚書は、早期実現に向けた調査検討とともに、財政的支援を得るための政府への働きかけなども実施内容となっています。
また、この覚書とともに、両者は「山形県内の鉄道沿線の活性化等に関する包括連携協定」も締結しました。地域資源の活用促進、公共交通利用の推進と交通系ICカードの利活用、防災やまちづくりの推進での連携がうたわれています。