Windows 11はWindows 365やAzure Virtual Desktopの基盤となるため、能動的な更新は控えているように見えてきた。「Microsoft Technical Takeoff」イベントも、Windows 365やデバイスを管理するMicrosoft Intuneが中心。ただ、Windows 11 バージョン22H2に至る機能は段階的に公開してきており、おそらく2022年11月に公開される更新プログラムでタブを備えたエクスプローラーが使えるようになりそうだ。

エクスプローラーのタブ機能

KB5019509プレビューを適用した安定版Windows 11のエクスプローラーを見ると、任意のフォルダーをタブで開くボタンもなく、コンテキストメニュー頼りになるが、複数のウィンドウを開くよりもタブを切り替えてファイルをコピー&ペーストできるのは有用だ。

Microsoftは公式ブログでタブ付きエクスプローラーのほか、日付や電話番号によるMicrosoft TeamsやMicrosoft Outlookへのスケジュール登録、タスクバーのオーバーフロー機能を紹介しているが、コピー&ペースト機能は日本語環境で未確認。タスクバーのオーバーフローは動作するものの、コンテキストメニューからタスクマネージャーを呼び出すメニューは現れなかった。

タスクバーのオーバーフロー機能

整理すると、2022年11月の更新プログラムでは以下の内容が有効になる予定だ。

タブ付きファイルエクスプローラー

コピー内容に対するリコメンド

タスクバーのオーバーフロー

タスクバー経由のタスクマネージャー起動

共有機能の強化

「フォト」アプリのiPhone対応(要iCloud for Windows)

Amazonアプリストアのプレビュー提供

WSA(Windows Subsystem for Android)のプレビュー提供

米スポーツチャネル「ESPN」の提供

Microsoft Storeから入手可能な「ESPN」

ベータおよびリリースプレビューチャネルのリリース状況を見ていると、タブレットモードの最適化や通知領域の再設計、Windows Helloの顔認証や指紋認証で保存したデータの制御、検索ページの視覚的改善が加わる予定だ。また、古いWindows TSF(Text Services Framework)を利用しているとハングアップするバグも修正している。ただ、長いことATOK for Windowsを使用しているが、IMEが落ちる場面はなかった。

今後もWindows 11が毎月新機能を提供するかは不明だが、機能と安定性を向上させていることは間違いない。安定性を重視するユーザーやシステム要件で移行できないユーザーは除くものの、そろそろWindows 10からWindows 11への移行を始めてもよいころではないだろうか。

著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら