「奥地」会津田島と磐越道を直結する計画の一部です。

トンネルは3本のうち1本が完成


狭い谷をトンネルで抜ける湯野上バイパス(画像:国土交通省)。

 会津若松から南会津方面へ谷間を抜けていく国道121号。そこに山道をショートカットするバイパス「湯野上バイパス」「下郷田島バイパス」の事業が進行中です。

 湯野上バイパスは2012年に事業着手。湯野上温泉から下郷町へトンネル主体で抜ける8.3kmの路線です。2022年9月時点で、3本の長いトンネルのうち中間の2本が完了、現在は北側のトンネルが工事中です。橋梁部も橋脚や橋桁が姿を見せ始めています。

 この区間の現道は渋滞が多発し、特に観光シーズンは旧跡「大内宿」への流入もあって通り抜けに2時間を要することも。バイパス整備により、通過交通はこの渋滞の影響を受けることなく移動することができます。

 そこから南へ続く下郷田島バイパスは2015年に事業着手。下郷から田島まで、地上区間主体で抜ける11.1kmの路線です。現在は会津田島付近で会津鉄道をまたぐ高架橋の工事が進められています。

 このバイパス群はネットワーク構想「会津縦貫南道路」の一部に位置づけられ、高速道路空白地帯である会津南部を磐越道と直結させる目標があります。とはいえ、この2バイパス以外に、目立ったバイパス計画は事業化に至っていません。

 さらに広域ネットワーク構想として、「会津縦貫北道路」「会津縦貫南道路」「栃木西部・会津南道路」が示されており、実現すれば喜多方〜会津若松〜日光という「縦軸」が完成します。会津縦貫北道路は大部分にあたる会津若松〜喜多方が開通済み。いっぽう栃木西部・会津南道路は、調査区間という位置づけにとどまっています。