“空”推しですが、それ以外も結構癒される街です!

滝川市で実施される「スカイワーケーション」どんなもの?

 ANA(全日空)グループで地域創生を手掛けるANAあきんどと、北海道中部にある滝川市が、とあるユニークなワーケーション事業を実施しました。ワーケーションとグライダー体験を組み合わせた「スカイワーケーション」というものです。


滝川市のカントリーサイン(乗りものニュース編集部撮影)。

 滝川市はグライダーの航行に必要な「上昇気流」が発生しやすく、航空管制の制約も少ないことから、スカイスポーツが盛んに実施されています。担当者が「上昇気流はおおまかに分けると、4つの種類があるが、同市はそれらの上昇気流すべてを体験できる場所」と話すほど、同市はスカイスポーツに適した場所なのだそうです。

 市内中心部には公園と飛行場の機能を有する日本で最初の本格的航空公園「滝川スカイパーク」を設置するなど、“空と触れ合えること”をセールスポイントとした街づくりを進めています。

 しかし、同市の観光資源はこれだけではありません。飛び立ったグライダーの機窓などから見られる緑豊かな自然はもちろんのこと、「日本一長い直線道路」としてドライブスポットとして知られている国道12号の北側の基点もここ。また、市内には、フリーキャンプやグランピング施設のあるキャンプサイト「まるごとそらち」などの施設があり、近辺には日帰り温泉施設なども充実しています。食については「味付けジンギスカン発祥の地」として知られています。

変わり種ワーケーション、なぜできた?

 今回のスカイワーケーション事業には、大学航空部の指導者など15人が参加。参加者は滝川でのグライダー操縦を昼間に実施したのち、空いた時間を用いて宿泊先のホテルなどでテレワークを行います。

 ANAあきんどは、2021年より滝川市の事業を受託。同市でワーケーションをする際に他地域と差別化できる要素について検証し、この「スカイワーケーション」を実施しては、という意見が多く聞かれたことから、今回の事業実施に至ったそうです。

 2者が推進する「スカイワーケーション」の取り組みは、今回の事業で魅力や課題の確認を行い、スカイワーケーションの内容を再検証したのち、ますます動きを推進していく方針です。


滝川市「スカイワーケーション」の様子など(乗りものニュース編集部撮影)。

 現在2者はこうしたスカイワーケーション事業や情報発信のほか、大学グライダー部の合宿誘致に向けた大学・企業へのアプローチを実施しています。

 ANAあきんどによると、今後は、一連の滝川市におけるワーケーションの取り組みにより、“空の街”としてのブランド化を推進するとともに、将来的には企業による継続的なワーケーション利用や同市への企業サテライト事業所の設置、同市における新規事業の実施など経済活性化に資する新たな展開も視野にいれながら、交流・関係人口の拡大に繋げたいとのことです。

 もしかすると2者のタッグによって、将来的には滝川市で多くの人が「空を飛びながらリモートワーク」といったレアな体験ができる日が来るかもしれません。

【映像】超絶景!! 「グライダー」のコクピットから見た滝川市の様子