東急「青ガエル」5000系のデビュー日 可愛くて最新技術多数 -1954.10.16
68年前の10月16日、東急で「青ガエル」として親しまれる5000系電車がデビューしました。
引退後は各地で余生
「青ガエル」の愛称がついた東急5000系電車(画像:東急)。
今から68年前の1954(昭和29)年10月16日。東急で「青ガエル」として親しまれる5000系電車がデビューしました。
ゴツゴツとした鋼製車らしい3000系から一転、下ぶくれで丸みを帯びた姿はユーモラスで、全身緑色の塗色と相まって「青ガエル」などの愛称で親しまれました。
可愛らしい姿とは裏腹に、東急では新機軸となったこの電車。車軸にモーターを取り付けて動力を直接伝える「吊り掛け駆動方式」とは異なる、独立したモーターから車軸へプロペラシャフトで動力を伝える「直角カルダン駆動方式」をいち早く採用。特異な車体形状も車体全体で強度を保つ「モノコック構造」の賜物で、使用鋼材を減らし軽量化を実現したのです。
ステンレス車の銀色の「7000系」とともに東横線を支えましたが、8000系の投入で押し出され、大井町線のほか、目蒲線(現在の目黒線・多摩川線)へも転出。1986(昭和61)年に引退したあと、長野電鉄・熊本電気鉄道・岳南鉄道・上田電鉄・福島交通をはじめ、各地で「第二の人生」に就きました。
最後まで現役だった熊本電気鉄道からは2016年に引退。北熊本駅の車庫でその姿を見ることができます。また、渋谷駅ハチ公広場にもしばらく存置されていましたが、2020年に秋田県大館市に移設、観光施設「秋田犬の里」で「第三の人生」を送っています。