初飛行に成功しても、この「型式証明」がカベなんですよね〜。

初飛行から約5年

 COMAC(中国商用飛行機)が開発する新型ジェット旅客機「C919」が、中国の「型式証明」を2022年9月に取得しました。このことで、中国国内において、同機の実用化が一歩実現に近づいたことになります。


COMACが開発中のC919旅客機(画像:COMAC)。

 C919は、エアバスA320シリーズやボーイング737シリーズと同クラスのジェット旅客機で、機内レイアウトは158席から168席、航続距離は4075から5555kmとのこと。初号機は2015年11月2日に完成披露し、2017年5月5日に初飛行に成功しています。公式サイトによると、現在28社から累計815機の注文を受けているとしています。

 型式証明は、その飛行機のモデルが一定の安全基準を満たしているかどうかを、国や地域ごとに当局が審査する制度。これをクリアすることで、機体ごとにメーカーが(取得前より大幅に項目が省略された)所定の検査を実施するだけで航空会社に引き渡せるようになります。型式証明は、そのモデルが実用化するうえで、不可欠なプロセスということができます。ただし、先述のとおり型式証明は国や地域で取得する必要があるため、中国以外の航空会社で実用化する場合には、別途各国でこの証明の取得が不可欠になります。

 新華社通信によると、9月30日には、北京首都国際空港で型式証明書発行式が挙行。中国共産党中央委員会政治局のメンバーと劉鶴副総理が出席しています。