「最後の難所」ともいうべき区間が短絡されます。

用地測量が始まった段階


戸沢トンネルの南側坑口付近(画像:東京都)。

 八王子市とあきる野市をむすぶ都道61号の戸沢峠に、全長1.3kmのトンネルが通されようとしています。

 この都道「山田宮の前線」はいくつかの山をトンネルで貫いて両市間を直結するルートの一つ。JR中央線の高尾駅付近で町田街道が国道20号(甲州街道)に接続し、そのまま北上するとすぐこの都道に入ります。あきる野市のJR五日市線・武蔵増戸駅付近まで到達し、日の出町内へも直結します。

 しかしこのルートの中で戸沢峠周辺は急勾配やカーブが連続する区間。過去に土砂崩れなどによる通行止めも発生しているほか、道がまっすぐつながっておらず、八王子市上川町内で別の都道に合流して右左折する必要があり、生活道路内にもかかわらず渋滞の原因にもなっています。これをトンネルで一気に南北つらぬくのが、今回の事業です。

 現在は事業着手して間もない段階で、いよいよ用地取得のための現地測量へ入っていきます。そこから「概ね10年〜12年間で事業完了」(東京都)となる計画です。

 トンネルは一般的な山岳トンネルの工法であるNATM工法(地山を直接掘削し、コンクリートを吹き付けてロックボルトで補強する工法)となる予定。開通すると、並行する圏央道の「無料バイパス」としての利便性も向上しそうです。