旧ソ連の戦闘機MiG-29が初飛行-1977.10.6「キエフの幽霊」も使った傑作機
ウクライナでは米国製対レーダーミサイルを搭載したりも。
生産数ではSu-27の倍以上
1977(昭和52)年の10月6日。旧ソ連(現ロシア)が開発した戦闘機MiG-29が初飛行しました。
MiG-29は、ミグ設計局が1970年代前半に開発したジェット戦闘機で、世代的にはアメリカ製のF-14「トムキャット」やF-15「イーグル」、F/A-18「ホーネット」などと同じ第4世代戦闘機に位置付けられています。
ロシア空軍のMiG-29戦闘機(画像:ロシア国防省)。
生産は旧ソ連のみであったものの、冷戦後期に東ヨーロッパ諸国や発展途上国、北朝鮮を始めとした社会主義国、インドやイランなどの友好国などへ積極的に供与や輸出されたことから、総生産機数は1600機以上にのぼっており、その点では同じく旧ソ連製のスホーイSu-27が700機程度なのと比べると倍以上を誇ります。
1991(平成3)年12月にソビエト連邦が崩壊し、その構成国であったベラルーシやカザフスタンなどが独立したため、世界約40か国で運用されるようになり、2022年現在でもロシアを筆頭に20か国以上で現役装備として使われています。
なお、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻で、侵攻当初にロシア軍機を立て続けに撃墜し、SNSを中心にウクライナ救国の英雄として話題となった、通称「キエフの幽霊(ゴーストオブキエフ)」が用いていたとされたのも、同国空軍のMiG-29MU2戦闘機でした。
ただ、前線で使用することを想定して長大な航続距離や長い滞空時間、長距離索敵が可能なレーダーなどが求められなかったことから、冷戦崩壊後はSu-27と比較して性能的に見劣りするようになってしまい、輸出に関しては同機の後塵を拝しているようです。
そのため、性能大幅に向上させたMiG-29MやMiG-35などが開発されたものの、本国ロシアを含め、大量導入した国はいまだ現れていません。