47年前の9月30日、アメリカの攻撃用ヘリ「AH-64」が初飛行しました。

攻撃・防御の両面に優れた機体


攻撃ヘリ「AH-64」の正面の姿(画像:SDASM Archives)。

 1975(昭和50)年の9月30日。アメリカの攻撃用ヘリコプター、AH-64「アパッチ」が初飛行しました。

 90年代初頭の湾岸戦争で大きな戦果を挙げ、その戦闘能力の高さから「最強の攻撃ヘリ」との呼び名が高い機種です。複数の派生型も誕生し、イギリスや台湾、韓国など数々の国で導入されています。陸上自衛隊も通算で13機を調達しています。

 アメリカは1960年代後半に、攻撃に特化したヘリであるAH-1「コブラ」を、世界に先駆けて投入していました。「アパッチ」はその後継として開発されたのです。ちなみに「AH」は「Attack Helicopter」の略で、攻撃ヘリにつけられるコードネームです。汎用ヘリは「UH」(Utility)、輸送ヘリは「CH」(Cargo)が用いられます。

 ヘリの攻撃機としての可能性をとことんまで追求した本機は、レーザー照射や自動追跡装置、夜間用の暗視装置、ヘルメットに装着したレンズディスプレイなど、目標達成能力を高めるギミックが惜しげもなく投入されています。

 また、パイロットの保護にも力を入れており、装甲板による防護のほか、墜落時の生存率を高める設計や、各種機能の喪失時のバックアップ体制も整えられていました。

 攻撃ヘリの代表格であり、側面から伸びた兵器群はいかにも「強そう」な見た目のため、「ゴジラ」シリーズをはじめ映画や特撮作品の多くに登場しています。2016年公開の「シン・ゴジラ」でも、自衛隊の初期出動機として、ゴジラへ集中攻撃を仕掛けています。