注文住宅を建てる際は、自分たちで検討しなければならない項目が非常に多いもの。手が回らず、項目によっては依頼先の担当者におまかせ、ということも。日刊住まいライターは、階段のプランをおまかせに。これが思わぬ問題となりました。住み始めてから、回り階段の三角の踏み板が、意外に危ういことに気づいたのです。

ほかを優先した結果、階段の形状についてはスルー

1年半ほど前に、ハウスメーカーで2階建ての家を建てた筆者。夫婦と10歳に満たない3人の子どもが暮らす家の階段室には、折り返し階段が採用されています。写真のとおり、回り階段の部分に使われている踏み板は三角形。

【写真】スルーしてしまった階段の形状

プランの打ち合わせでは、いろいろなことをメーカーに要望し、検討していました。しかし、階段に関しては、とくに筆者にこだわりはなし。すっかり検討項目から抜け落ちていました。

そのため階段は、全面的に設計士さんにおまかせ。ほかの間取りとの兼ね合いで、収まりを決めてもらったのです。

しかし、実際に住んでみると「もっとしっかりと、階段の踏み板の形状を検討しておけばよかった」と後悔…。筆者にとって、この回り階段の部分が後悔ポイントになっている理由は2つ。掃除がしにくい点と、足を踏み外しそうで危険だという点です。

 

三角形の踏み板は、掃除にとても手間がかかる

写真のとおり、三角形の踏み板の角は、掃除機でどうやっても上手に掃除ができません。フロアワイパーでも同様です。

掃除機のヘッドをコンパクトタイプに交換するか、ハンディモップやぞうきんでホコリを取り除くことになります。できれば、ヘッドの交換なしに、掃除機ひとつで掃除を終わらせたかった…。筆者にとっては、とても手間に感じます。

踏み板が三角形だと、足を踏みはずすリスクが大きい

筆者は階段を急いで駆け降りるときなどに、ときどきうっかり足を滑らせそうになることがあります。踏み板が三角形だと、着地するスペースの広さが、左右の足それぞれで異なることに。これが、原因のひとつになっているのでしょう。

 

夜に足元灯のみで降りる際にも、三角形の鋭角部分に足を乗せるときは、気をつけるようにしています。

 

また、子どもと手をつないで降りるときにも注意が必要です。子どもは、階段の外回りについている手すりを持ちながら降りることになります。結果、大人の方が、足を乗せるスペースがより窮屈な内側を降りることに。踏み外せば、手をつないでいる子どもも危険。非常に気を使います。

 

できることなら、踏み板を全部四角にしたかった

後悔ポイントになってしまった筆者宅の階段。でも、折り返し階段が全面的に気に入らないかというと、そんなことはありません。

折り返し階段にも、以下のようなメリットはあります。

・省スペースで階段が設置できる
・(ストレートな階段に比べて)万が一転げ落ちてしまった際にも、折り返し部分があることで下まで落ちるのを防げる

これらのメリットをハウスメーカー聞き、折り返し階段を採用したこと自体には納得しています。

それに、もしも踏み板がすべて四角形だったら、階段の面積が増えて、ほかの部分の間取りにも影響が出たかも。階段のために、希望どおりのLDKを諦めることだってあったかもしれません。

もちろん、できることなら、回り階段の部分も三角形ではなく四角形になっていたらよかった…。1年半暮らして、筆者のなかでは後悔が残り続けています。四角形なら、足を踏み外す心配も掃除のしにくさも問題にならなかったでしょう。

完璧な家づくりなんてないかもしれません。でも、できる限り、いろいろ角度からプランの検討はしたいものですね。