【終戦の日 各党談話】与野党が語った平和への決意 - BLOGOS編集部
※この記事は2018年08月15日にBLOGOSで公開されたものです
与野党は15日、終戦の日にあたり談話や声明を発表した。自民党は「『平和国家日本』を次世代に引継ぎ、世界の平和と繁栄に積極的に貢献する」「二度とわが国は戦争への道を歩まない」と不戦の決意を表明。一方、野党からは憲法改正の実現を目指す安倍政権に対する批判の声も上がった。
恒久平和の実現に尽くす 自民党
自民党は、「唯一の戦争被爆国として被爆の実相を語り継ぐとともに、歴史に謙虚に向き合い、恒久平和の実現に全力を尽くす」と表明。日本を取り巻く安全保障が変化していることに触れ、「一国だけでは地域の平和と安定を守りきれない時代の中においては、日米同盟を基軸とする抑止力の向上を図り、積極的平和主義に基づいた平和外交努力を着実に積み重ねる」とした。
非核化を実現する 公明党
公明党は、北朝鮮の核問題に触れ、「具体的な非核化へのプロセスは明らかではなく、日本は米国、韓国、そして中国、ロシアとも連携して非核化を実現すべき」と主張。「平和の党」として、世界平和にさらに貢献するとした。
一方、野党からは憲法9条改正に積極的な安倍首相の姿勢に対し、懸念や批判の声が上がった。
立憲主義と平和主義の危機 立憲民主党
立憲民主党は、戦後、日本は憲法の平和主義のもと民主主義国家をつくり上げてきたとし、「安倍政権は、憲法解釈の変更による歯止めのない集団的自衛権の行使を容認し、今また、立憲主義、平和主義を無視した憲法の改悪に向けて突き進もうとしている」と批判。「立憲民主党は、歴史の教訓を胸に刻み、日本の外交・安全保障の基本姿勢である国際協調と専守防衛を貫き、国際社会の平和と繁栄に貢献する」と表明した。
非核三原則を堅持 国民民主党
国民民主党も「安倍政権は、民主主義の危機と言える強引かつ強権的な国会運営を行い、日本の未来に対する懸念を高めている」と安倍首相との対決姿勢を鮮明にした。同党は「『立憲主義』『平和主義』『民主主義』を守り非核三原則を堅持しつつ、二度と戦禍に巻き込まれることがないよう努力を払う」と訴えた。
市民と野党の共闘を大きくする 共産党
共産党も安倍政権を非難。「安倍政権は唯一の戦争被爆国の政府にもかかわらず、『核抑止力』を口実に、被爆者・国民の悲願に冷たく背を向け続けている」とし、「安倍政権を倒すため、市民と野党の共闘を強く大きくすることに奮闘する」と表明した。
憲法9条のあり方慎重に検討 日本維新の会
日本維新の会は「民主主義、自由主義、法の支配等の価値観を共有する国々と力を合わせ、朝鮮半島の非核化をはじめとする国際平和の実現に全力を傾注させる」と表明。憲法9条については「引き続き国民の声に真摯に耳を傾け慎重に検討していく」とコメントした。
現実的な外交・安全保障政策を推進 希望の党
希望の党は、中国や北朝鮮との緊張が高まっているとし、「国際社会との緊密な連携を維持するとともに、我が国自身の外交力、防衛力の抜本的強化が求められている」と訴え、「今後も平和主義のもと、現実的な外交・安全保障政策を推進していく」と表明した。
戦争のない世の中の実現目指す 自由党
自由党は「現政権は自衛隊を歯止めなく世界中に派遣できるような安全保障政策を進めている」と安倍政権を非難。「悲劇しかもたらさない戦争を正しく認識し、再び繰り返さないという覚悟が必要。戦争のない世の中の実現のため、全力を尽くす」とした。
憲法改悪を断固阻止 社民党
社民党も「安倍政権によって、『専守防衛』を大きく逸脱する軍拡が進められている」と批判。平和を希求する全ての人々と憲法改悪を断固阻止し、『不戦の誓い』を後世にも引き継いでいく」と訴えた。
安倍首相は全国戦没者追悼式に参列
同日、安倍首相は全国戦没者追悼式に参列し、以下のような式辞を述べている。
戦争の惨禍を、二度と繰り返さない。歴史と謙虚に向き合い、どのような世にあっても、この決然たる誓いを貫いてまいります。争いの温床となる様々な課題に真摯に取り組み、万人が心豊かに暮らせる世の中を実現する、そのことに、不断の努力を重ねてまいります。今を生きる世代、明日を生きる世代のために、国の未来を切り拓いてまいります
平成三十年 全国戦没者追悼式式辞 首相官邸ホームページ