基準値超えの残留農薬が検出された栃木県産イチゴ=食薬署提供

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(台北中央社)衛生福利部(保健省)食品薬物管理署(食薬署)は19日、日本から輸入された栃木県産イチゴから基準値を上回る残留農薬が検出されたと発表した。台湾では今年2月、栃木を含む5県で生産、製造された食品に対する輸入禁止措置が原則的に廃止されており、5県産食品が水際検査で不合格となるのは輸入解禁以降で初めて。

不合格となったのは栃木から輸入されたイチゴ1ロット、88.8キロ。農薬「フロニカミド」0.15ppmが検出された。台湾では、青果類におけるフロニカミドの残留農薬基準値は機器で定量検知が可能な最小値(定量下限値)である0.01ppmと定められている。不合格品は全て積み戻しまたは破棄される。

台湾は2011年の東京電力福島第1原子力発電所事故以降、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県産食品の輸入を禁止していたが、今年2月21日、5県産食品の輸入を原則的に解禁した。

食薬署北区管理センターの担当者によれば、5県産食品の輸入解禁以来、計19ロットの食品が輸入された。県別では茨城、群馬、栃木の3県。5県産食品に対しては水際で全ロット検査を実施しており、今回不合格だった栃木県産イチゴを除き、全て合格だったという。

日本から輸入されるイチゴを巡っては、基準値を上回る残留農薬が検出され、水際検査で不合格となるケースが相次いでいる。台湾側は不合格の原因や改善・防止策を5月6日までに文書で説明するよう日本政府に求めているものの、食薬署の担当者によれば、現時点で回答は得られていないという。

(江慧珺/編集:名切千絵)