Mario Anzuoni / Reuters
Mario Anzuoni / Reuters

アップルの映画『Coda コーダ あいのうた』が、ストリーミングサービスの作品として初めてアカデミー賞の作品賞を受賞しました。この映画からはトロイ・コッツァーがろう者男性俳優として初めてのオスカーとなる助演男優賞を、脚本・監督のシアン・ヘダーが脚色賞を獲得しています。

『Coda あいのうた』はろう者(聴覚障害者の一区分)一家のなかで唯一の健常者として育ち、音楽を志そうとするものの、耳が聞こえない家族から理解を得られず苦悩する少女の成長を描く物語。

監督のシアン・ヘダーは授賞式のバックステージでエンタメニュースサイトVarietyに対し「これはろう者コミュニティにとって本当に大きなできごとです。マーリー・マトリンは35年前に聴覚障害者として初めてオスカー(主演女優賞:『愛は静けさの中に』)を受賞しましたが、その後もハリウッドでは大した変化はありませんでした」と述べ、今回「その変化をもたらしたアカデミーに感謝します。これがこの美しいコミュニティからの生み出されるたくさんの映画の最初のひとつになることを望みます」としました。

アップルはこの映画の権利を取得するために2500万ドルを投じ、アカデミー賞ノミネートを取得するための限定的な劇場公開をしました。現在はApple TV+で試聴可能になっています。ストリーミング勢としてはNetflixも『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオンが監督賞を受賞(女性監督として3人目)しました。

最も多くの賞を獲得したのはSF『Dune/デューン 砂の惑星』で、6部門を受賞しました。ただ今回の授賞式では、一部の賞が式に先立って発表され、スティーブン・スピルバーグ監督をはじめ出席者の中にはこれに対する苦言も出ています。

なお、今回のアカデミー賞は初めてストリーミングサービスからの作品が作品賞を獲得したものの、全体としてはストリーミング勢の受賞は4部門に留まり、昨年の7部門からは減少。旧来の劇場公開作品のほうが好調な結果でした。ただ、これはHBO Maxと劇場で同日公開だった『Dune/デューン 砂の惑星』や、1か月ほど劇場公開が先行したDisney+の『ミラベルと魔法だらけの家』が劇場作品に分類されていたこともあるため、ストリーミングとしては昨年より存在感は増していたようにも思えます。

ちなみに、日本映画として初めてアカデミー作品賞にノミネートとしていた『ドライブ・マイ・カー』は国際長編映画賞を受賞しました。

Source:Oscars